ブログには常に1000軒前後のレビュー記事がアップされ、埼玉や東京などの関東地方を中心に年数回の旅行などで全国各地を年間200軒ほど食べ歩いています。
関東在住ですが旅行好きということもあって、地方の飲食店さんにも足を運ぶのが一番の楽しみです。
飲食店さんの魅力を少しでも多く発信・共有できればと思いますので、気が向いた時にでも訪問お待ちしております。

2022年7月8日オープン。創業者の詳細は確認できませんでした。安中の一軒家を活用した隠れ家的なラーメン店で、店内はカウンター席を中心とした落ち着いた空間。食券を購入して、こだわりの一杯を気軽に楽しめます。

国道18号を高崎から松井田方面へ進むと、安中の市街地中心部にほど近い国道沿いにあります。
一瞬「旅館かな?」と思うほど和の趣をたっぷりと感じさせる佇まいで、扉をくぐる前から落ち着いた空気に包まれます。
郊外ならではのゆとりある立地で、駐車場も広々。約10台分のスペースがあり、車でも安心して訪れることができます。

ラーメンは「貝だしラーメン」と「貝だし豚骨」の2本柱。それぞれに醤油や塩が用意されており、好みに合わせて選べるのが魅力。
注文は入ってすぐの券売機で食券を購入するスタイル。店内にはメニュー表がないため、事前に店外に設置されたメニューを確認してから入店するのがおすすめ。
券売機には季節限定メニューや豊富なトッピング、ごはんものまで並び、全体としてバリエーションの幅広さが印象的。

純和風の落ち着いた外観とは対照的に、店内はどこか洋風レストランを思わせる造り。居抜きの空間を活かしつつ、随所に店主の趣向が感じられる内装になっています。
席はカウンターやテーブル席に加え、奥には座敷席も用意され、全体で約30席ほど。ゆとりのあるレイアウトで、グループ利用にも対応できる広さです。

数種類あるごはんものの中から、今回はローストポーク丼をチョイス。サイズはやや控えめで、ラーメンと合わせるとちょうど良いボリューム感。
刻みねぎと海苔をあしらったローストポークは、やや厚めのカット。しっとりとした食感で、噛むほどに旨みが広がります。
ほどよい塩気のあるオリジナルダレが肉とごはんをしっかりまとめ、丼ものながら細部へのこだわりが感じられる一品。

お店の看板メニューでもある「貝だしラーメン」から、今回は醤油をチョイス。
着丼と同時に、醤油の香りがふわりと立ち上り、一気に食欲を刺激します。思わず箸を伸ばしたくなる、そんな一杯です。

味玉はデフォルトではなく追加トッピング。濃いめの色合いは丁寧に時間をかけて仕込まれている証で、ほろりとほどける白身の食感と、コクのある濃厚な黄身が印象に残ります。
トッピングされたアサリは、この一杯の個性を象徴する存在。一般的なメンマの代わりに添えられ、海鮮の旨みをしっかりと主張しながら、貝だしラーメンというコンセプトを明確に伝えています。

チャーシューは真空低温調理によるもので、豚肩と鶏むねの2種類がつかわれています。鶏むねはパツサキやすい部位にも関わらず、シットリジューシに仕上げられている。
豚肩はほど良い厚みと大きめなカットで、強めの主張とともに、バランスを保ちつつ、噛みしめるほどにスープと合わさった旨味が染み出て来る。

麺は北海道産「ゆめちから」を使った特注の平打ち中太麺。体感で約200gほどのボリュームがありコスパに優れています。
パン用にも使われる小麦ならではのもっちりとした弾力があり、力強さを感じさせる食感。適度なコシと噛みごたえがあり、食べ進めるほどに満足感が高まります。

スープのベースは、大量のあさりとホタテ、さらに道南産昆布を合わせた出汁に、鶏清湯を重ねたダブルスープ。
タレには木桶仕込みの醤油など数種類をブレンドし、貝柱を漬け込むことで海鮮の風味を一層引き立て、そこへ自家製貝油で風味が増されています。
しっかりとした醤油の香りとキレを感じさせながらも、貝出汁ならではの奥深いコクが広がり、思わず最後の一滴まで飲み干したくなる仕上がり。

9月からの期間限定で提供されている「はまぐり中華そば」に出会うことができました。
彩りが鮮やかな印象で、チンゲン菜や刻み葱、紫玉葱など野菜要素が多いのが特徴的。

貝出汁の世界観を象徴するように殻付きのまま丸ごと入ったはまぐりは、贅沢なトッピングといえます。
存在感のある一粒は見た目のインパクトもさることながら、噛んだ瞬間にじゅわっと広がる濃厚な旨みが印象的。

貝だしラーメンにも使われている刻み紫玉ねぎが添えられています。
キリッとした醤油の主張を、玉ねぎのやさしい甘みがほどよく和らげ、スープ全体にまろやかさをもたらしています。

スープはハマグリの上質な旨みを幾重にも重ねた仕立て。澄んだ透明感のある一杯からは、いったいどれほどのハマグリが使われているのかと想像してしまう。
貝だしラーメンのアサリ主体の風味と比べても、旨みの厚みと奥行きはさらに一段上。より深みを感じさせる味わいです。
群馬といえば、私の住む埼玉と同じく、いわゆる“海なし県”。そんな土地で「貝」を主役に据えたラーメンに出会えるとは、正直驚きでした。
店主は東京・虎ノ門の人気店「貝汁らぁ麺 虎武」で修行を重ね、2022年7月に安中で独立開業。貝だしの引き出し方やスープの組み立て、素材の旨みを最大限に活かす技術には確かなものを感じます。
クオリティの高さに加えてコストパフォーマンスも良好。思わずまた足を運びたくなる一杯です。
次回は、貝出汁と豚骨を掛け合わせた独自の一杯も試してみたいところ。再訪が今から楽しみです。