ブログには常に1000軒前後のレビュー記事がアップされ、埼玉や東京などの関東地方を中心に年数回の旅行などで全国各地を年間200軒ほど食べ歩いています。
関東在住ですが旅行好きということもあって、地方の飲食店さんにも足を運ぶのが一番の楽しみです。
飲食店さんの魅力を少しでも多く発信・共有できればと思いますので、気が向いた時にでも訪問お待ちしております。
2014年7月31日創業。店主・高橋亮雄氏は飲食店で経験を積み、ラーメン店での修業に頼らず独学で研鑽を重ねて開業しました。魚屋を営む両親の姿から料理人を志し、手作りの料理を届けたいという思いを形にした一軒です。店内はカウンター中心の全15席で、落ち着いて一杯に向き合える空間。屋号やメニュー名には店主が愛する落語の世界も息づいています。

桐生市街を東西に隔てる渡良瀬川を渡り、市街地へ入るとほどなく店舗が現れる。
最寄りはわたらせ渓谷鐵道「下新田駅」や東武鉄道「新桐生駅」だが、いずれも徒歩10分以上とやや距離がある。
赤いテントに鮮やかな青の日除けを配した外観は遠目にもよく目立ち、初訪問でも迷いにくい。

並び方や駐車場についての案内が店先に設置されている。
店先の駐車場は共同のため、どこへ停めて良いのだが、満車率はかなり高めで、常連さんは予め店舗裏側にある専用駐車場を利用しているようだ。

店内は町のラーメン店らしい親しみやすい雰囲気で、特別に飾り立てた印象はない。
お客さんが食べては出てまた入り。出入りが激しく、常に満席を維持している様子。
席はカウンターが中心で、その後ろにテーブル席を配置した全15席のコンパクトな造り。

メニューは季節限定の一杯に加え、醤油・塩・担々麺を軸に、それぞれトッピング違いが用意されている。
サイドはセットのチャーハンのみとシンプルな構成。追加トッピングには鶏や豚のコンフィなどがあり、麺は大盛にも対応している。

最もスタンダードな醤油ラーメンを注文。
具材はチャーシュー、メンマ、葱と実にシンプルで、どこか昭和の面影を感じさせる王道の一杯に仕上がっている。
麺には細ストレート麺がつかわれ、適度な歯ごたえと喉越しが旨い。

ラーメンに使われているのは、厚みも幅もある存在感たっぷりの極太メンマ。
やや甘めに味付けされ、心地よい歯ごたえを残しつつ、スープの旨味をしっかりと吸い込んでいる。

チャーシューはバラと肩ロースの2種類を使用し、それぞれ異なる食感と旨味の違いが楽しめる。
見た目はシンプルながら、口に運ぶとほろりとほどけるやわらかさ。スープの風味を損なわない控えめな味付けで、その完成度の高さをしっかりと感じさせる。

魚介出汁を主軸としたスープは、旨味がしっかりと広がりつつ、醤油の風味もバランス良く調和している。
強烈なインパクトこそないが、じんわりと美味しさが続き、最後の一滴まで飲み干したくなる仕上がりだ。

日本初を掲げる「ラーメン懐石」は、趣の異なる3種のラーメンをコース仕立てで味わことができる。
1食でラーメン3杯とは、ラーメン好きにはこの上ない炭水化物オンパレードだ。
店主の情熱や哲学、細部へのこだわりを余すことなく体感できるため、その真価に触れるならぜひ選びたい内容だ。

コース1品目となるのは「まぜそば」。
見た目は池袋にある中華料理「楊」の坦々まぜそばを彷彿とさせる。
麺にはチャーシューを細かく固めたものに玉葱、葱が添えられている。

岡直三郎商店の揚げ醤油に鴨油の香りが重なり、混ぜ合わせることでチャーシューの脂が溶け出し、さらに深いコクを生み出す。
合わせる麺は群馬県産小麦「黄金鶴」を使った細ストレートの低加水麺で、噛み応えのあるワシワシとした食感が心地よい。

2食目は麺とつけ汁だけの「つけ麺」。
つけ汁には群馬県産の辛味大根がつかわれているので、麺はちょい付けで食べると、麺の美味しさが一層引き立つ。

シンプルという言葉よりも、削ぎ落としたというニュアンスが合うつけ麺。
北海道産「きたほなみ」をつかった麺はモッチリ食感で、「麺の刺身」を謳い舌触りも味も上質。

〆は醤油か塩から選べるが、今回はすでに醤油を味わっているため「塩」を選択。
全体で3品の麺料理となる構成のため、ラーメンはハーフサイズで提供される。
麺は「春よ恋」の特級小麦や国産小麦を4種類ブレンドしたもので、スープと混ざり合うような旨味だ。

ラーメンに添えられたチャーシューは小ぶりながらもしっかりと厚みがあり、食べ応えのある食感が印象的。
脂と赤身のバランスに優れたロース肉を使用し、絶妙な火入れによってジューシーさが際立っている。
麺は「春よ恋」の特級小麦をはじめ、国産小麦を4種ブレンドしたもの。スープと一体化するように、豊かな旨味が広がる仕上がり。

透明感のある淡い色合いに、塩の香りがふわりと立ち上るスープ。
山形産の鴨や函館産の真昆布など、無化調の天然素材のみで仕立てられており、雑味や重さを一切感じさせないクリアな味わいに仕上がっている。
朝ラーメンとして有名だが、群馬県で1、2を争う人気店としてもはや全国区にも近い知名度を誇る。
日本初のラーメン懐石「小麦三昧」は麺料理だけ3種類と、かなり異様な料理構成だが、決して飽きることが無い。
麺を中心に置きながらも、素材の選定から具材への仕上げまで、細部にこだわりと丁寧さが感じられ全てがハイレベル。