外観
JR神田駅もしくはJR秋葉原より徒歩5分の神田淡路町の界隈にあります。
何年か前に店舗が火事になってしまいニュースになったのを知っていましたが、優雅さと趣きがある雰囲気です。
店内
1階は大きな広間に小上がりと、2人掛けの小さなテーブル席が77席、2階は20席の全97席と広めです。
店内では、お客さんの注文を受けると、女将さんがマイクで注文を独特の節回しで読み上げると、その声がホール全体に響きわたる様には、ついつい下町情緒のようなものを感じてしまいます。
メニュー
蕎麦は定番のものから、あまり聞き慣れないような趣向を凝らしたもの、季節ごとに変わるものなど、種類は豊富です。
一品料理はかなり豊富で、定番の板わさや焼海苔、穴子焼きなど、蕎麦前を楽しむには十分なラインナップです。
以前にお邪魔したときには、文字で書かれただけの、「お品書き」だったのですが、写真が付いたメニューに変わっていたのに、便利さを感じつつも寂しさがありました。
かまぼこ
こちらは大きく厚めのものが2枚で、小田原の極上かまぼこがつかわれているそうです。
しっかりとした歯ごたえで、噛みしめる度に旨味と満足感が得られます。
焼海苔
焼海苔を注文したのですが、お重のような木箱に入って運ばれて来まし。
木箱を開けて海苔に醤油もしくはわさび醤油を少し付けて食べます。
香ばしい磯の香りとともにパリパリの海苔の食感が美味しいです。
海苔が非常にパリパリなのは、木箱が2重底になっていて二段目には炭が入って温められているのです。
何とも粋な海苔の食べ方です。
穴子焼き
穴子は鰻の白焼のようにパリッと焼かれています。
脂が十分に落とされているので、少し強めの塩気と穴子独特の何とも香ばしい味わいです。
牡蠣の南蛮漬け
表面には薄く衣を纏わせ、牡蠣は小粒ながらも濃厚な旨味がありました。
南蛮漬けということで、酸味のあるタレに漬け込まれていました。
若竹の煮びたし
一口サイズに切られたものと、かなり薄めに切られた2種類の筍で食感を楽しむことができました。
シャキット音が出るような歯ごたえで、噛みしめると非常にみずみずしさがあります。
お出汁のような優しい感じで、丁寧に味付けられていました。
せいろうそば
かんだやぶそばの蕎麦は、ほど良いボリューム感で、いろいろな料理を楽しんだ後でもスッと食べられます。
そばつゆは非常に特徴的で甘めで濃いめなので、蕎麦の先に少しだけ浸して食べると、蕎麦の味を十分に楽しめます。
蕎麦は蕎麦粉十割、小麦粉一割で、「外一」という配合です。
小麦粉を配合していることもあって、噛み締めたときの十割のみ蕎麦とも違う独特の食感です。
蕎麦の味が際立っているわけではありませんが、汁と合わせたときの風味は格別です。
かんだやぶそばさんでは、蕎麦の風味が落ちる夏場には、客に清涼感を楽しんでもらいたいと、蕎麦の若芽の代わりにクロレラをつかい緑がかった蕎麦になります。
緑がかった蕎麦を見れるのも、夏の風物詩のような気持ちの良さがあります。
あとがき
1735年頃の文献にはすでに、鬼子母神の門前茶屋と茶屋町を離れた藪の中にも蕎麦屋があったという記述があります。
その後も数々の文献に蕎麦屋があったことが記され、1861年頃には「団子坂の千(駄木)蔦屋に入り蕎麦条を食ふ」という一文があり、団子坂の近くに「蔦屋」というそば屋があり「藪そば」と呼ばれていたそうです。
「やぶそば」という名は、近所の住人たちがつけた俗称で、坂の周辺に大きな竹藪があり、竹藪に囲まれたそば屋ということから「やぶそば」と呼ばれるようになったそうです。
藪、砂場、更科を総じて東京三大蕎麦や御三家などと呼ばれるほど、江戸の時代から愛され、東京の蕎麦を語る上で、欠かすことができないお店です。
店舗情報
- 店名
- かんだやぶそば
- 住所
- 東京都千代田区神田淡路町2-10
- 営業時間
- 11:30~20:30(L.O.20:00)
- 定休日
- 水曜日
- 種別
- 蕎麦