すずらん通り
神田・神保町エリアで、有名店が軒を連ねる「すずらん通り」の靖国通り近くにお店はあります。
最寄り駅は、東京メトロ神保町駅やJR総武線・中央線の御茶ノ水駅などです。
外観
町の天ぷら屋さんという印象の店構えで、派手さは無いものの、老舗感あるオーラを放っています。
店名は、創業者が独立前の修行先だった神田末広町にあった割烹「魚安」で、親方から「一生ねじり鉢巻きをして勉強だ」と言われたことに由来するそうです。
店内
お店に入るとカウンターが出迎えカウンター越しには、三代目店主が天ぷらを揚げる様子を見ることができます。
店舗奥はテーブル席があり、席はカウンター席など全33席です。
奥の席で食事をした際に、壁に飾られていた額には、緒形拳さんや松本幸四郎さんなどのサインが書かれていました。
ミステリーの文豪としても有名な江戸川乱歩は直筆のサインを飾るなど、初代店主と仲良く贔屓にしていたそうです。
メニュー
天麩羅は、天丼、お重、定食の3種類で提供され、それぞれに複数のバリエーションがあり、全部で6種類です。
メニューにはありませんが、天麩羅を単品で注文するもできるようです。
メニューはディナータイムのもので、平日のランチタイムは表示価格よりも安く提供されています。
穴子海老天丼
天丼に穴子が足された天丼で、大きな穴子が特徴的です。
天丼にはサービスでお味噌汁が付いてきます。
江戸川乱歩もアナゴと海老が入った天丼をよく注文していたそうなので、ミステリー好きにオススメの一杯です。
味噌汁の具材はワカメと麩とシンプルです。
東京の老舗に多い赤出汁がつかわれ、きっちりと出汁が取られている感じです。
天丼の具材は穴子、海老2本、ピーマン、レンコンなどです。
見た目もそうですが、けっこう種類が多いので、さまざまな天麩羅を楽しめます。
胡麻油で揚げられた衣は、薄く乗りつつ、カリッと揚げられているので、食べやすさがあります。
創業以来、継ぎ足されたタレはけっこう甘めですが、サラッとしているので、食べ終わった後もモッサリとした感じはありません。
あとがき
はちまきさんの創業は1931年(昭和6年)で、90年以上の老舗になります。最初は神田駅前に店を構えていましたが、空襲により1945年に現在の神保町に移転しています。
江戸川乱歩、井伏鱒二などの文豪をはじめ、演劇界の人たちにも愛されたお店で、店内には当時の名残を見ることができます。
穴子や胡麻油で揚げるなど江戸の天麩羅を語る上では、絶対に外せない一杯でした。