旧閑院宮別邸
箱根登山鉄道の強羅駅より徒歩3分の高級ホテル「強羅花壇」の敷地内にある、旧閑院宮別邸です。
旧閑院宮別邸は陸軍技師の柳井平八の設計によって昭和初期に建てられたもので、宮家の別邸だったため、各所には菊の御紋を見ることができます。
強羅花壇
箱根だけでなく、日本を代表する老舗高級旅館で、国内外の要人やセレブなどをもてなし続けています。
画像は強羅花壇の建物内部で、有名な渡り廊下は、見るだけでも十分に価値があります。
食事の後にスタッフの方の気遣いで、少しだけ建物を案内して頂きました。
駐車場
箱根登山鉄道の線路を渡り、坂を下ると広い敷地が駐車スペースになります。
とくにどこに置かないと行けないわけではないのですが、端っこに停めてしまうあたりで庶民を実感しますwww
室内
室内はシットリとした雰囲気で、家具を含めて、非常に落ち着いた雰囲気で食事を楽しむことができます。
一番奥にある肖像画は建物が建てられた時の当主、載仁親王だそうです。
席はテーブルのみで全50席となっています。
懐石料理水仙
会席料理のフルコースで全8品となっています。
今回は一休レストランさん経由で予め予約をして訪問させて頂きました。
当然コースは季節などによって頂ける料理も食材も変わってきます。
先附
先附は「揚げ胡麻豆腐」です。
薄めの衣で揚げ、滑らかに感じる胡麻豆腐は箱根のものでしょうか。
胡麻味噌は風味抜群で、松の実のアクセントが良い感じです。
八寸
八寸は「秋の野菜を使って」です。
秋に訪問したので、稲穂がデコレーションされ、見た目的にも非常にキレイな印象です。
芋などの根菜類が多く、懐石料理らしい季節感を感じさせてくれます。
お椀
お椀は「菊ちらし」です。
椀の蓋を開けた途端、柚子の香りが広がりました。
表面には菊の花が広がり、中には真丈が鎮座しています。
真丈は蟹で、風味と蟹肉の繊細な食感が非常に美味しいです。
向附
向附は「季節三種盛り」です。
鮪、鯛、ハマチの3種の刺身は、獲れたてではなく、味は落ち着き滑らかな食感で、それぞれの風味と味をしっかりと感じさせてくれます。
焼物
焼物は「キングサーモン味噌漬け」です。
「キングサーモンと味噌?」と、食べるまでは味の想像がつきませんでした。
食べてみると、日本の鮭にはない味と、丁寧に焼かれた切り身はほぐれも非常に良く、味噌の味付けも鮭と喧嘩することなく美味しいです。
煮物
煮物ですが、こちらの懐石料理はどの器もキレイで、見た目的にも非常に美しさを感じられます。
煮物は「浅利飛龍頭」とのこと。飛龍頭とは関西の言葉だそうで、関東で言えば「がんもどき」です。
浅利の味がギュッと閉じ込められ、優しい味付けにホッとする瞬間を頂けます。
御飯
御飯は「鮎御飯」で、留椀の味噌汁と香物が添えられています。
香物は5種類ほど、昆布や紫蘇、胡瓜などです。
どれも味が優しく、美味しさを感じさせてくれます。
留椀は赤味噌仕立てで、香りと出汁感が非常に美味しい一杯です。
手でちぎったようなお豆腐も、大豆の風味が美味しいです。
鮎御飯は、残念ながらそれほど鮎の風味を感じられませんでしたが、炊き込みの出汁のお味、炊き加減は美味しかったです。
甘味
締めの甘味は「洋梨のコンポート」です。
洋梨の上には味淋のサバイオーネ。サバイオーネはイタリア・ピエモンテの名物でカスタードクリームのようなものだそうです。
洋梨も繊維を感じないほどに煮込まれ、食感はまるでゼリーのようです。
あとがき
社会人になって間もない時くらいに、深夜番組で見た、温泉好きな女性芸能人が紹介していたのが「強羅花壇」さんでした。きっと渡り廊下や温泉を見て、ググッと引き込まれたのでしょうか。絵空事のようにいつかはと思っていましたが、いざ自分がとなれないのが現実でwww まさかこのような形でお邪魔することができるとは思いませんでした。
花壇さんは、米国FOODIEが厳選する世界のトップレストラン100軒に選定されるなど、しっかりと評価も受けています。懐石料理のコースということですが、最初から最後まで驚きと納得。不勉強の私の味覚を十分に刺激させて頂けました。
汁物や焼物などを食べると熱くないんです。加熱が不十分ではなく、食べやすいように適温で留められている「おもてなし」感など、目に見えない部分でも凄みを感じました。強羅花壇に宿泊できなくても、食事だけでも、その心持ちを感じられました。いつかは宿泊したいなぁと再実感です。