とりジンジャー(2023年12月22日〜26日)
2021年12月のラーメン★スターオーディション「チャレンジ店主部門」入選し、鶏肉と生姜のみで作る、中国・雲南料理の汽鍋からヒントを得た鶏小がラーメン専門店、長澤みちと店主率いる東京・御徒町の「とりジンジャー」さんです。
とりジンジャー
提供されたのは、とりジンジャー(塩)と、醤油の2種類で、店名を冠した塩を注文しました。
全体的に、白というか透明感のあるラーメンという印象です。
穂先メンマが周囲を囲むように置かれ、しっかりとした味付けと、歯ごたえも好みで良いアクセントでした。
チャーシューにのせられているのは、ジンジャーボール(生姜のみじん切り)と、フライドオニオンです。
塩ベースのスープにジンジャーボールが、違和感なくマッチングし、フライドオニオンの香味も良かったです。
チャーシューは極薄に切られた鶏チャーシューです。
脂身がほとんど無く、パサついた食感もないので、胸とかでしょうか。
チャーシュー自体が主張することは無いのですが、シットリとした舌触りと、丁寧な火の入れ方が見受けられます。
麺は三河屋製麺謹製さんのパッツリとした極細麺です。
一見すると、豚骨ラーメンなどにつかうような麺ですが、口溶け感があって、スープの主張を邪魔しない感じが良いです。
最近は醤油などで、こうした極細の素麺系の麺を良く見ている印象です。
スープは、鶏と生姜を贅沢に使用し、昆布などの和出汁と合わせたダブルスープだそうです。
2種類の塩をブレンドした特製ダレで、生姜の主張は感じつつ、全体を通して「和」の印象を受けるスープです。
和の上品さがありつつ、生姜のパンチ力に引き込まれるような、深みある味で、追加のジンジャーパウダーがひと味違う生姜の一面を見せてくれました。
お茶漬け
丼が提供されることが多いのですが、スープをつかったお茶漬けスタイルです。
胡麻、チャーシューがのせられています。
昆布で出汁をとっていることもあってか、お茶漬けとして良い感じに美味しいです。
ついつい山葵が欲しくなるところですが、生姜の風味が美味しいです。
スープを飲み干すと、カラダがポカポカとした、寒い冬に美味しいラーメンでした。
濃厚豚ラーメン活郎(11月29日〜12月4日)
茨城の濃厚つけ麺のパイオニアとして、つくばに一大ブームを起こした「活龍」グループの最新ブランド、芝山健一店主率いる「濃厚豚ラーメン活郎」さんです。
手揉み中華そば
二郎系ラーメンが苦手なので、「雲丹つけ麺」との2択で、1番シンプルそうな「手揉み中華そば」を注文しました。
見た目は非常にシンプルな印象と懐かしさを合わせ持つ感じです。
メンマは幅広厚めに切られていて、食べごたえ感をしっかりと感じられます。
味付けはラーメンの中で1番濃いのではないのか、というぐらいしっかりと味付けられているのが、全体のバランスとして良かったです。
若干の芯を残しつつも、厚みによって噛みごたえが心地良く美味しいです。
豚バラのチャーシューもメンマ同様、厚めに切られていて、ガッツリ感があります。
味付けもほど良く、肉の美味しさとスープとの兼ね合いも非常に良いです。
ラーメンで1番インパクトあったのが太縮れ麺です。
手揉み感のある麺で、ハリ・コシ感があり食感はモッチモチ、はち切れんばかりのムチムチ感が美味しいです。
太めの麺で食感もさることながら、口溶けが良いので、非常に食べやすいのも特徴的です。
スープは黄色から透明にほど近い澄んだ感じの見た目です。
ベースは豚骨と鶏ガラをじっくり煮込めたものだそうで、パンチ力は無いものの、染み入るような味が美味しいです。
味はどこか佐野ラーメンにも似たような醤油と塩の間くらいで、良い感じです。
シンプルなラーメンだからこそ、単純な具材だからこそ、その美味しさが非常にわかりやすくて、美味しかったです。
柏 濃麺や 39名(2023年11月22日〜26日)
子供の頃から食べて育ったというソウルフードの竹岡式ラーメンと、大好きな豚骨醤油ラーメンを完璧に融合させたチャーシュー麺が代名詞で、昼営業のみにも関わらず、連日大人気の千葉県柏市から出店の「柏 濃麺や 39名」さんです。
柏ブラックチャーシュー麺
ドギツイくらいに真っ黒の醤油スープが非常に特徴的なラーメンですが、香りが非常に印象的で、見た目の好みとしては100点満点です。
竹岡式の特徴でもある、スープには玉葱が入っています。
濃い目のスープに円やかな甘みを追加するために玉葱を使うことは珍しくありませんが、ピッタリ感というかスープとの一体感が出ています。
チャーシューは刻みチャーシューと、切り分けられたものが2種類入っています。
通常はライスにかけて丼にするような感じですが、食べている際のアクセントとしても、絡む感じが好きでした。
竹岡式のもう1つの特徴でもあるチャーシューです。
味付けは、千葉県富津市の宮醤油さんの醤油を使い、しっかりと味付けされています。
部位はバラで、脂身の感じを含め、一杯の中で違和感の無い絶品チャーシューでした。
一番驚かされたのが麺で、スープの色が移ったのか、真っ黒でまるで焼きそばの麺のような感じです。
製麺は京都の老舗製麺所「麺屋棣鄂」さんの特製中太麺をつかっているそうで、強めのスープの印象に負けることなく、モチモチとした食感を含め美味しかったです。
本来の竹岡式ならば、チャーシューの煮汁と茹で汁でスープを作るのですが、こちらのスープは豚骨と鶏ガラから濃密な旨味を抽出しているそうです。
見た目通りというか、期待通りのパンチある醤油が効いていますが、後味に塩辛さが残ること無く、ちゃんと飲み干せるスープでした。
淡麗系のような飲み干せるスープとは180度違うんですが、それでも飲み干せてしまう美味しさが非常に良かったです。
二代目 南州ラーメン(2023年9月15日〜20日)
1980年創業で、鹿児島指宿で長年愛され続けてきた豚骨の名店「南州ラーメン」。店主の高齢化により今夏に後を受け継いだのが神奈川の名店「中村麺三郎商店」の中村健太郎店主(実の息子)率いる、鹿児島指宿の「二代目南州ラーメン」さんです。
餃子
ラーメンWalkerキッチンのライブキッチンでは、なかなか餃子が食べられないのでつい注文してしまいました。
1人前は6個で、1つのサイズは一般的な餃子より小さい感じです。
表面はしっかりと焼かれ、焼き色はキレイに入っています。
皮は薄めで、餡はしっかりと詰まった感じなので、サイズ的な小ささを感じさせません。
黒豚を使っているのか、餡自体にかなり肉々しい味があり、そのままでも十分美味しいです。
ネギチャーシュー飯
チャーシューと葱を和えたご飯物です。
チャーシューの盛りが良く、食べごたえ十分でした。
和えた葱は酸味がある味付けで、ネギダレのような感じになっていました。
チャーシューは、多くの店舗では、ラーメンで使ったチャーシューの端肉を使うことが多いのですが、しっかりとお肉の真ん中を使っていました。
鹿児島豚骨チャーシューラーメン
豚骨好きにはたまらない見た目ですが、やはりキレイさがあり、品のある豚骨ラーメンという感じです。
ラーメンにのせられているのが、九条葱とキクラゲですが、長く細く切られていて、通常のキクラゲと食べた印象が全く違います。
キクラゲは辛味が付けられ、まるで珍味のようなこだわりで、これがスープに溶け込みつつ、歯ごたえのアクセントとしても面白かったです。
チャーシューは豚バラをつかっていて、お肉自体の旨味もさることながら、丁寧に調理されて大事に育ったチャーシューに感じました。
厚めに切られているので、口に含んだ時の幸福感を感じてしまいました。
ラーメンを含めどの料理でも、お肉の扱い方、調理が抜群に上手で、脂身と赤身も見事に表現されています。
麺は九州の豚骨ラーメンらしい中細のストレート麺です。
スープとの絡みというよりも、麺自体に美味しさがしっかりとあり、時間が経過しても溶け込まない表面の強さがあり、かなり好みな麺でした。
8時間丁寧に煮込まれた豚骨スープで、豚骨独特の臭みは残しつつも、甘さがしっかりと溶け出しています。
熊本ラーメンというと、黒麻油をつかい強烈なコクがありますが、玉葱油を使っているそうで、醤油の使い方もマイルドです。
本来の熊本ラーメンの香りを残しつつも、上品さと丁寧さをしっかりと感じられる一杯でした。
ラーメン・ミュージアム~ラーメンのすべて~
2020年11月の開業以来、全国各地から100名を超える店主に出店いただき、お客様とリアルなコミュニケーションを続けている「ラーメンWalkerキッチン」が3周年を迎えます。
3周年特別出店スケジュール
イベントウィークなので、11月3日〜6 日、8日~12日までの9日間は日替わりでの特別出店です。
すべて日替わりで、世界を代表する9店舗のラーメン店主にご出演いただきます。
らぁ麺 飯田商店(2023年11月6日)
「ラーメンWalkerグランプリ」殿堂入り、「TRYラーメン大賞」殿堂入り、「食べログ」日本のラーメン店で最高得点などなど、ラーメン賞を総なめにする日本屈指の名店。湯河原の本店は超プレミアチケットとなり、毎週予約争奪戦が繰り返されている、「らぁ麺 飯田商店」さんです。
当日は1日限定の出店ということもあり、300人以上の人が列を作ったそうで、長い人では6時間以上待ちという人気ぶりでした。
ちゃーしゅー麺
見た目が美しいのは、日本一美味しいラーメンと呼ばれる貫禄を感じさせてくれます。
九条ネギと焼海苔が添えられていますが、どちらも風味が香ばしく、とくに海苔はスープ終盤での溶け込んだ時のアクセントとしてよかったです。
メンマは細く切られたものが3本ほど入ります。
表面の柔らかさと、中心に少し芯を残しているのが、メンマ好きとしては憎いくらいで丁度良い感じです。
味付けは甘めではあるが、バランス感を失うこと無く、中華麺感を失っていない印象です。
チャーシューは2種類で、大胆に広げた状態でラーメンを覆うのが、TOKYO-Xという品種の豚です。
赤身を残す低温熟成でしょうか、塩気を感じるものの、解けるような丁寧な熱の入れようが見事です。
もう一方の品種は聞こえませんでした。
厚みがあり、噛みしめると肉感とともに、豚の味がしっかりと伝わるチャーシューです。
麺は当日の早朝に飯田店主自ら製麺したものが提供され、北海道産などの複数の小麦をブレンドしているものだそうです。
スルリと抜けるようなストレート麺で、口溶け感もありつつ、喉越しもしっかりと感じさせてくれます。
表面は鶏の脂と醤油ダレが二層になっていて、最初の一口はけっこうガツンと醤油ダレの強みを感じさせてくれます。
最初の強さは後引くことなく、混じり気を感じさせないスープと丁寧に喉の奥で昇華していきます。
ラーメン全体を通して、懐かしい中華そばのような系譜を感じつつも、バランス感、素材への拘り、美味さの追求を感じる一杯です。
系列店の湯河原にこりさん、沼津イオンの姉妹店、お弟子さんのRamenFeelさんを食べていたけど、やっぱりオリジナルの強さを体感できました。