下山メシ
フリーのイラストレーター・いただきみねこ(30)は、ウェブ広告のイラスト執筆という仕事の合間を縫って、ここ2年ほど前からは、もっぱら趣味の“登山”を楽しんでいる。
そんなみねこにとっての一番の楽しみは、山を下りた後に食べるご飯、通称「下山メシ」だ。
ーー 歩かず、待たず、食べられる ーー
登山後の身体に染み渡る居心地の良いお店とご飯は、普段は躊躇してしまうようなハイカロリーな食事さえ、罪悪感なく頼めるから不思議だ。
昭和の雰囲気をそのままに残した、食堂のおばちゃんが手作りするアジフライ定食。
気取らない店構えとちょうど良い距離感の接客が妙に落ち着く、老舗の町中華屋さんが作る炒飯と餃子。
みねこはそんな「下山メシ」を求め、今日もたくましく山へと向かうのだった。
よし、下山しよう。
第1話 はらしま食堂
みねこが今日登るのは、東京では高尾山と並ぶメジャーな山・【御岳山】。
昭和の雰囲気を残した【はらしま食堂】で、長年愛され続ける【あじフライ定食】をお腹いっぱい堪能する。「よし、下山しよう。」
御岳山のふもとにある昭和レトロな雰囲気が魅力の老舗食堂で、長年地元で愛されている店舗です。
店内は木の温もりを感じる空間で懐かしいポスターや昔の風景写真が飾られ、昭和時代にタイムスリップしたような雰囲気があります。
看板メニューは「あじフライ定食」で、サクサクの衣とジューシーな身が特徴的です。
登山後の疲れを癒す場所として人気があり、ボリューム満点でリーズナブルな価格も魅力で、登山客や地元の人々に親しまれています。
第2話 炭火焼肉ごしち
世界一登山者数が多い東京の山・【高尾山】にて、活気溢れる接客が印象的な【炭火焼肉ごしち】を訪れ、【薬味ロース】を初体験する。
東京都八王子市にある隠れ家的な焼肉店で、創業は約10年以上前です。
高品質な肉をリーズナブルな価格で提供することを目指し、地元で愛される名店となっています。
看板メニューには、塩ダレを揉み込んだ「塩ハラミ」や薬味でさっぱり仕上げた「薬味ロース」があり、脂の旨味とさっぱり感を楽しめます。
アットホームな雰囲気と活気ある接客も魅力で、多くのリピーターを惹きつけています。
第3話 喫茶モンタナ
大山や箱根、丹沢湖など激戦区に佇む【大野山】にて、レトロな店構えの【喫茶モンタナ】を訪れ、【ナポリタンとコーンピザ】を食す。
神奈川県足柄上郡松田町の新松田駅から徒歩1分の松屋ビル2階にあり、創業48年の老舗喫茶店です。
昭和レトロな雰囲気が特徴的で、店内はベルベットの椅子や木目調の天井、セピア調の装飾が施され、70年代テイストの花柄ガラス戸が印象的です。
窓際の席からは西日が差し込み、レースのカーテンが高級感を演出し、まるい形状のランプは温かなフィラメントが見える独特のデザインです。
静かな雰囲気の中、BGMが流れ、ゆったりとした時間を過ごせる空間となっています。
第4話 焼鳥味はる
みねこが今日登るのは、白馬像が立つ山頂から360度の眺望が楽しめる【陣馬山】。突然の降雨をきっかけに、同じ事が起きた2年前に想いを馳せる。
心安らぐ店主の接客が魅力的な【焼鳥味はる】で、【つくね・ねぎま・ささみ梅】をじっくり味わう。
2022年10月に東京都八王子市東浅川町にオープンした焼鳥店で、元々は約50年前から地元で愛されていた同名の飲食店があり、その名を引き継いで復活しました。
店主のタツロウさんは、以前西八王子で「燗鳥道」を営んでいた焼鳥の名人で、看板メニューは天草大王を使用した焼鳥で、特につくね(塩)が絶品と評されています。
タツロウさんこだわりの燗酒も豊富に取り揃えており、焼鳥との相性が抜群です。
店主は旅行やバイク、登山、キャンプが趣味で、カウンターでの会話を楽しめるのも魅力の一つで、高尾の新たな名店として地元の人々に愛される存在となっています。
第5話 東峯園
高水山・岩茸石山・惣岳山の【高水三山】を縦走し、創業70年の老舗中華料理【東峯園】を訪れ、【五目チャーハンと餃子】を堪能する。
1946年(昭和21年)創業の老舗中華料理店で、JR青梅線御嶽駅前にあります。
登山や渓谷遊びの帰りに立ち寄る人々から愛される「町中華」として知られ、清潔感とアットホームな雰囲気が特徴です。
看板メニューは、自家製手打ち麺を使用した「みたけラーメン」で、たっぷりの野菜、しめじ、豚肉が乗った醤油ベースのスープが評判で、小ぶりで優しい味わいの手作り餃子や、中華スープから作るカレーも人気があります。
価格設定は観光地としては非常に良心的で、地元の常連客や観光客に親しまれ、登山後の食事や軽い飲み会にもぴったりな一軒です。
第6話 かどや食堂
みねこが今日登るのは、相模湖の南岸に位置し、山道に多数の奇岩があることで有名な【石老山】。
姉御肌な店主が切り盛りし地元客から愛される【かどや食堂】で、【古づけ】をビールのおつまみに、【かつ丼】をお腹いっぱい平らげる。
神奈川県相模湖駅前にある昭和23年(1948年)創業の老舗食堂です。
昭和11年(1936年)から受け継がれているぬか床を使用した漬物が名物の一つです。
メニューは幅広く、ラーメンや定食、丼物など地元の味が楽しめ、地元の特産品である津久井在来大豆を使った料理や、相模湖の旬の食材であるワカサギのフライが人気です。
価格設定はリーズナブルで、相模湖の景色を眺めながら、昔ながらの味と雰囲気を楽しめむことができます。
第7話 奥多摩フードコート
188段の階段や五重塔がシンボルの【愛宕山】にて、【奥多摩フードコート】を訪れ、【ビビカレー】と【わさび中華そば】を堪能する。
2024年2月にオープンした飲食施設で、JR奥多摩駅から徒歩1分の場所にあります。
2019年に閉店した「スーパー小川屋」をリノベーションして作られ、昭和レトロな雰囲気を残しつつ、カジュアルで親しみやすい空間となっています。
奥多摩清流中華そば 三つ杉
店主の小林慎介さんは2021年に福生市で「麺処しんすけ」を創業し、2023年に奥多摩町へ移転しました。
看板メニューは奥多摩名物のわさびを使った「奥多摩わさび中華そば」で、熱に強い独自のわさびを使用しています。
ビビカレー
2023年9月に閉店した老舗喫茶店「ヘムロック」のレシピを再現し、地元で愛されたソウルフードの味を蘇らせました。
看板メニューのビビカレーは、欧風カレーながら辛口で、トロっとしたルーにスパイスの粒が立つ独特の味わいが特徴です。
第8話 一の屋鶴寿庵
四季折々の動植物を楽しめる【弘法山】にて、温泉施設にある【一の屋鶴寿庵】を訪れ、秦野名産【うでぴー】と【鴨南蛮そば】を食す。
明治6年(1873年)に秦野本町で創業した「秦野一の屋」が手掛ける食事処です。
小田急小田原線鶴巻温泉駅から徒歩3分で、秦野市が運営する日帰り入浴施設「弘法の里湯」に併設されています。
「Modern Washoku」をテーマに、和食からフレンチ、イタリアン、エスニックまで幅広いメニューを提供しています。
看板メニューは秦野名産の蕎麦で、特に「天せいろそば」が人気です[3]。お風呂の利用に関わらず食事を楽しむことができ、温泉後の食事処としても利用されています。