Craft Ramen BiT(2024年4月24日〜4月29日)
都内の製麺所勤務後、ラーメン店主になるべく自作を重ねていた中で、2020年にラーメンWalkerキッチン出店権を賭けてラーメンWalkerの店主オーディション企画に参加。
800名を超える応募者の中から、斬新で緻密な構成が光るジビエの鹿肉を使用したラーメンが大絶賛される。
「独立したらラーメン界のタイトルを総なめにする可能性さえある(我武者羅・蓮沼店主)」 と言わしめた。
その後、らーめん改(蔵前)で2年ほどラーメン修業を重ね、2024年2月26日に待望の独立を果たすと瞬く間にラーメン界の注目を集めている。
卵黄づけチャーシューごはん
見た目はかなり茶色のチャーシューという感じです。
豚肩ロースと卵黄はタレに漬け込まれており、じんわりとした食感で時間の掛け方がわかります。
チャーシューの味付けは、かなり甘めな印象ですがブラックペッパーが効いているので、その甘さを打ち消すように全体の印象を上げています。
コンソメラーメン(塩)
塩と醤油が提供されていましたが、悩んだ末に塩を選択して注文しました。
ラーメンの印象は、それほど具材も多くなく、シンプルな印象です。
ラーメンの上にのせられているのはメンマなどではなく、白髪葱、レンコン、セミドライトマト、エリンギとフレンチやイタリアンを思わせる具材です。
全体の印象として、「普通のラーメンでは無い」、そんな感覚を印象付けます。
チャーシューには、豚肩のロース部位がつかわれ、表面には火が入っているので、旨味がしっかりと閉じ込められています。
臭みなどは丁寧に除かれ、しっかりとした歯ごたえがありつつも、固い印象は無く、肉本来の味がしっかりと伝わってきます。
麺には中太の手もみ麺がつかわれています。
プリっとモチモチとした多加水麺で、ラーメンの麺というよりも、パスタのフィットチーネなどの感じに近いです。
食感に非常に歯切れの良さを感じつつも、喉越しの良さもあり、スープとの絡みも良いです。
ベースには、ジビエの鹿の肉や骨、モミジを長時間焚き、香味野菜などを加えた旨味溢れるコンソメスープに、厳選された数種類の塩をブレンドし、スープの表面には多くの油が見られますが、きのこの2番出汁とオイルを合わせたものです。
フレンチで使うコンソメの調理技法を取り入れ、最近のラーメンに多く見られるラーメンの洋風化を強く感じさせる一杯です。
牛骨ラーメン たかうな(2024年4月17日〜4月22日)
60年以上前から鳥取で愛されている、「牛骨ラーメン」の美味しさを追求し、進化させながら、一杯ずつ丁寧に作り上げることに魂を注ぐ人気店。
鳥取のご当地グルメでもある、「牛骨ラーメン」の全国区化を目指し、様々な挑戦をし続けている。
特製牛骨ラーメン 鳥取御膳
ラーメンWalkerキッチンに来て以来、これほどボリューム感があるセットはお初です。
※単品で注文することはできず、ラーメンとのセットになります。
鳥取御膳
ご飯、鳥取の名産品3種がセットになっています。
おかずの名産品は、食べて気に入れば店内でお土産としても購入できました。
ご飯は鳥取県産のコシヒカリがつかわれ、モッチリ感もありつつ、炊き加減にも気を遣われているのがわかります。
米に非常に甘味があって、そのままでも十分に食べていて美味しいです。
おかずは鳥取名産品で、とうふちくわ、するめ糀漬、かにふりかけの3品セットです。
3品それぞれはシンプルですが、ご飯に合うのはもちろん、しっかりとした旨味が伝わってきます。
特製牛骨ラーメン
牛骨ラーメンは特製ということで、チャーシュー増量、味玉が付いていました。
ラーメンには刻んだ白髪葱がドッサリとのせてあります。
白髪葱にはブラックペッパーがかけられていますが、これがスープと合わさった時に良い感じに効いていました。
メンマはかなり細く切られ、歯ごたえを感じられる食感重視で炊かれていました。
味付けはそれほど強くなく、スープなどともバランスが取られている印象でした。
特製に付いてきた味玉は、表面はほんのり色味が付いています。
黄身は溶けるような感じではなく、比較的しっかりとした黄身になっていました。
味付けは、出汁のようなほんのりとした塩気です。
チャーシューは鳥取県産の大山豚をつかっています。
かなり厚みがあり、ジューシーさはさほどありませんが、かえってお肉の美味しさがダイレクトに伝わってきました。
全部で5枚入っていたので、特製にして正解だったと思いました。
麺は特注の中細縮れ麺です。
モチモチとした多加水という感じでなく、噛み切った時に心地良さが残ります。
スープに絡んだ時に変にクセがないので、すんなりと入ってくる。そんな印象を受けます。
スープは20時間以上も牛骨を中心に炊き込み、透明にも近いような澄んだ黄色をしています。
レンゲに顔を寄せると、牛独特の風味が鼻腔を抜けて行きます。
味は非常に甘いのですが、決して嫌味があるわけではなく、むしろフレンチで遣われるブイヨンのような高貴感が漂います。
しっかりと最初のパンチがありつつも、飽きが来ることもなく、食べ終えても牛骨の旨味が残るスープでした。
地球の中華そば(2024年4月3日〜4月7日)
「柳麺 ちゃぶ屋(東京)」、「麺の坊砦(東京)」での修業を経て、14年に伊勢佐木長者町で独立開業し、素材の旨味が詰まったスープと濃密なタレ、しなやかな自家製麺など上品さが漂うラーメンで人気店になった樋上正径店主率いる、「地球の中華そば」さんです。
地鶏中華そば 塩 海老ワンタン
「地鶏中華そば」が醤油と塩の2種類、限定の「煮干し中華そば」の3種類が提供されていました。
見た目は、透き通った感じのスープで、キレイな印象を強く受けました。
ラーメンには赤いペースト状のもの、刻んだ葱とパクチーがのせられています。
赤いのはドライトマトのペーストで、塩のスープにドライトマトの酸味と、刻まれたパクチーで、ベトナムのフォーを思わせるようなアジアンチックな仕上がりです。
メンマは厚めに切られたもので、表面は濃い目の色合いです。
シンプルな味付けながらも、シコシコとした歯ごたえからは、丁寧に作られているのがわかります。
ワンタンは自家製と思われる皮に包まれ、非常に舌触りが良いです。
餡には鶏団子とプリッとした小海老で、非常にジューシーさを感じます。
チャーシューは、肩(ショルダー)と、モモ肉の2種類の豚をつかっています。
どちらも丁寧に調理されていることもあって、ちゃんとジューシーさが保たれ、噛み心地にも心地よさがあります。
部位の違いもあって、歯ごたえの違いや味の違いを楽しむことができます。
麺は「支那そばや」謹製のしなやかな中細ストレート麺がつかわれています。
表面には黒い粒が見えるので、胚芽が配合されているようです。
滑らかな口当たりで、抵抗感が少なく、塩のスープにも非常に良く合っています。
スープは、「支那そばや」の佐野実がラーメン専用鶏として開発した山水地鶏、名古屋コーチンから抽出したスープをベースにしています。
味付けには、アサリと蛤の風味豊かな塩ダレがつかわれています。
最初の一口目は、塩ラーメンとは思えないような、ビシッと効いたタレの感じがストレートに感じられます。
2種類の鶏から抽出されたスープの優しさが、食べ進めても飽きが来ることなく、染み入るような美味しさを継続してくれます。