外観
東京メトロ銀座線、浅草線、東武伊勢崎線、つくばEX「浅草駅」から、雷門通りを雷門を越えて合羽橋方面に行き、路地に入った食通街の一角にあります。
周辺は飲食店が多い地域なので、目印はホテル「浅草セントラルホテル アネックス」さんの裏手になります。
店内
賑やかな浅草にいるのが嘘のように、落ち着いた空間で、下町独特の由緒みたいなものが感じられます。
席は2人掛けや4人掛けのテーブルが10組ほど、小上がりの座敷もあり全40席です。
店に入ると番頭さんのような店員さんがいて、席を案内してくれるのが非常に面白いです。
メニュー
とんかつは、ローストとヒレの2種類で、どちらも定食で提供されます。
とんかつ屋さんなので、揚げ物が中心ですが、カキフライ(季節限定)やカニクリームコロッケ、ポークソテーなど、洋食屋さんのような料理もあります。
定食以外の一品料理もかなり豊富で、板わさや焼鳥など、蕎麦屋さんのようです。
店内にはとんかつをつまみに、お酒を飲んでいるお客さんなどもいるのが、なんとも浅草らしい光景です。
焼鳥
2本での提供ですが、1本は一般的な焼鳥が2〜3本くらいのボリュームがあります。
メニュー表には提供まで20分とありますが、それほど待った感じもありませんでした。
つかわれている部位はモモ肉で、柔らかい食感と、焼かれた香ばしさがあります。
オリジナルのようなタレがつかわれ、スッキリとしつつもコクのような美味しさがあります。
ロースかつ定食
ロースかつは単品でも注文できますが、定食にはご飯やお新香などが付いてきます。
定食を注文した場合、キャベツとご飯は1回のみ無料でおかわりができます。
お新香はキュウリと大根の浅漬けです。
非常にさっぱりとした酸味で、とんかつの箸休めには最高です。
お味噌汁は赤味噌のお味噌汁です。
しっかりと出汁が取られ、赤味噌の旨味がちゃんと伝わってきます。
東京の老舗料理屋さんでは、なぜか赤味噌が多いですよね。
ご飯は見るからにツヤツヤとしていて、食べる前から美味しそうなのが伝わってきます。
ボリュームはお茶碗にちょうど一膳分です。
直火で丁寧に炊かれたご飯は、見た目だけでなく、適度な歯ごたえと本来の甘味で、教科書のようなご飯です。
ロースかつは、200〜250gでしょうか、ちょうど良いサイズ感です。
キャベツは手で切られ、そのままでも十分美味しいくらいに甘みを感じます。
とんかつにはお店オリジナルのウスターソースが提供されますが、ソースで食べてもキャベツの甘さとケンカすることなく、美味しいです。
自家製造の国産小麦パン粉で纏った衣は、高級綿実油で揚げられ、かなり薄めでサクサクとした食感がします。
とんかつ屋さんでは珍しいオリジナルのウスターソースは、甘くもなく辛くもなく、野菜や果物の旨味を感じることができます。
とんかつの表面は濃い茶色で、強めに火が入っているようです。
ロースの断面はうっすらピンク色で、肉の繊維が見えるほどに繊細です。
豚肉は群馬県産やまと豚がつかわれ、脂に熱が加わり旨味へと変化し、非常に柔らかい食感です。
あとがき
とんかつゆたかさんは、戦後まもなく創業され浅草で70年以上続く老舗のとんかつ屋さんです。
料理は、とんかつはもちろん、ご飯、浅漬け、お味噌汁と、どれをとっても丁寧な手仕事を舌を通して感じることができます。
落ち着きある店内では観光客というよりも、地元の長年親しまれている方が食事を楽しまれている様子を何度も見かけています。
ガッツリとんかつを食べたいときも、日本酒を片手に浅草の夜を楽しみたいときも、いつでもゆっくり楽しむことができるお気に入りの空間です。