おでん|石川 金沢 おでん高砂
3.8

【おでん高砂】創業1936年! 期間限定の蟹面が人気の金沢にある老舗おでん屋

金沢市街にあり1936年創業で金沢おでんを代表する老舗おでん屋「高砂」さんに実際にお邪魔して実食したレビューを掲載しています。

Published on: 2022/12/06

外観

外観|石川 金沢 おでん高砂

JR金沢駅から徒歩12〜13分ほどの商店街から一本入った路地裏にあります。

ツタの絡まり具合、赤提灯、暖簾と呑兵衛の心揺さぶられる要素満載の外観です。

高砂さんは大変人気があるお店なので、電話での事前予約をオススメします。

訪問時は平日の雨が降っているのにも関わらず、開店間際には20人ほどが並び、その後は入店を断っている場合もありました。

店内

店内|石川 金沢 おでん高砂

店内も昭和感漂うおでん屋風情が良い感じです。

カウンター|石川 金沢 おでん高砂

カウンター席に座ると、おでん鍋が目の前に並び、雰囲気をさらに盛り上げてくれます。

席はカウンター10席ほどに、小上がり、テーブルの全27席となっています。

メニュー

お品書き|石川 金沢 おでん高砂

メニューにはおでん種がずらりと並びます。

知っている定番物からお店独自のものまで種類は20種類ほどです。

ドリンク類は日本酒、チューハイなど、それほど種類は多くありませんが十分な感じです。

ドリンク

ドリンク|石川 金沢 おでん高砂

生ビールと梅チューハイです。

生ビールは一番搾りで、ジョッキはやや大きめです。

梅チューハイは業務用のエキスを割ったもので、あまり濃さはありません。

おでん

おでん|石川 金沢 おでん高砂

おでんは、ある程度まとめて注文します。

お皿には山盛りにしないようで、ある程度の数を注文すると「また次ね」と言われます。

玉子|石川 金沢 おでん高砂

定番の玉子です。

味は普通ですが、おでん汁は以外にも関東風だそうで、濃いめの汁には親近感があります。

大根|石川 金沢 おでん高砂

こちらも定番の大根です。

シミシミな感じで非常に柔らかくて、大根と汁の旨味が美味しいです。

生姜風味の白味噌がのせてあり、こちらも非常に美味しいです。

牛すじ|石川 金沢 おでん高砂

関東でもよく目にする牛すじです。

こちらもしっかりと煮込まれているので、溶けるような食感です。

大根と同じように白味噌が付けてあるので、牛すじのクドさは一切ありません。

車麩|石川 金沢 おでん高砂

こちらは金沢おでん特有の車麩です。

お麩には、おでん汁が非常に染み込んでいて、噛みしめるたびに旨味がジュワッと広がります。

おでん|石川 金沢 おでん高砂

おかわりおでんで、できるだけ多くの種類を注文してみました。

赤はべん|石川 金沢 おでん高砂

こちらは赤はべんで、一般的には赤巻などとも呼ばれる蒲鉾です。

ぷっくりとした食感で、歯ごたえと風味が良い感じです。

椎茸|石川 金沢 おでん高砂

こちらは椎茸です。

どんこ椎茸ほど大きくありませんが、一般的な椎茸より大きめな傘を持つ椎茸です。

おでん汁を目一杯染み込ませて、ジュワッと来る旨味が好きでした。

ばい貝|石川 金沢 おでん高砂

こちらは、ばい貝です。

本当は大きな貝に入っているのですが、お皿に入れる都合上、貝を割ってくれました。

煮込まれているので、身の食感は少し固めですが、肝と身の味の違いや食感は絶品です。

蟹面|石川 金沢 おでん高砂

こちらは蟹面です。

香箱蟹や箱蟹と呼ばれるズワイ蟹の雌で、蟹面は蟹を丸々一匹つかったものです。

解禁日は毎年11月から12月までの2ヶ月しか食べることができない貴重なネタであり、金沢おでんを有名にした立役者でもあります。

蟹面|石川 金沢 おでん高砂

蟹面は面の中に、蟹足、内子(卵巣)、外子(受精卵)を順番に入れ込んだものです。

外子・内子|石川 金沢 おでん高砂

濃厚な甘みを持つ内子と、粒々な食感が楽しめる外子は、それぞれの違いが非常に面白いです。

1つ1つ丁寧に食べるのも悪くないんですが、かき混ぜて食べると、また違った風味と食感を味わえます。

蟹面の最後は、具を少し残し、日本酒を注ぐと風味と旨味が抜群に美味しいです。

あとがき

今回、金沢を訪れた目的の1つがこの蟹面です。解禁日が非常に短い希少な蟹なので、一度は食べてみたいと思い続け、やっと食べることができました。

昭和風情の外観、店内、怖そうな親父さん、予約時は「1時間だけだけど大丈夫?」と聞かれるなど、「食べながら怒られてしまうのかなぁ」と想像していたのですが、実に優しい人柄。人情のあるお店ってこういうことだなと実感します。おでんのネタもしっかりと作り込まれ、選ばれたものも実に美味しいです。

メニューに値段が書かれないのは、時価のものが多いのもあるでしょうが、お会計時は木札のようなもので計算されています。値段を気にせず料理を楽しんだり、長居するのではなく、さっと出るのが金沢おでん流かもしれません。

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