ひるがお・鶏ポタラーメン THANK(2024年3月27日〜4月1日)
2000年に「らーめんせたが屋」、2001年に塩ラーメン専門店「ひるがお」を創業し、その後も革新的なラーメンを放ち続け、いつしか「ミスターラーメン」という愛称で親しまれるようになった前島司店主と、鶏の魅力を最大限生かしたトリポタラーメンのパイオニア「鶏ポタラーメンTHANK」の田辺雄二店主が奇跡の師弟コラボをしました。
地鶏ごはん
地鶏をつかった丼ごはんです。
タレは甘めに味付けし、刻み葱をのせて、シンプルに仕上げています。
地鶏の肉は少し脂、ジューシーさが弱いのですが、肉厚感でタレと合わせるとご飯が進みます。
鶏の極み 醤油
スープ、タレ、麺は師の「ひるがお」、具材は弟子の「THANK」という6日間限定の超プレミアムな師弟コラボメニューです。
穂先メンマをつかい、味付けは最低限に留め、メンマ独特の風味がストレートに表現されています。
食感はシコシコとした噛み心地を残して、ラーメン全体のアクセントになっています。
チャーシューは、手羽先、ローストしたモモ肉、低温調理のムネ肉の3種をつかっています。
手羽先とモモ肉は味がしっかり目に付けられ、ムネ肉のシンプルな味が醤油のスープに一番良く合っていました。
麺は中太の平打ち麺でもち小麦がつかわれています。
多加水でモチモチとした食感ながら、透明度があるようなスルッとした喉越しと、噛み心地が良いです。
スープには、土佐はちきん地鶏がつかわれ、鶏の旨味が見事に溶け込んでいます。
醤油は、小豆島ヤマロク醤油の濃口醤油「菊醤」と、再仕込み醤油「鶴醤」を合わせ、濃厚かつ芳醇な美味しさが作り出されています。
表面のオイルでスープの温度と旨味が閉じ込められているようで、最後まで旨味を感じられました。
麺屋やしち・魂麺(2024年3月20日〜3月25日)
北海道の超人気味噌ラーメン店、長谷川雅孝店主率いる「麺屋やしち」と、千葉の山西一成店主率いる、「魂麺」のコラボになります。
函館塩ラーメン
塩ラーメンということもあって、透明感あるスープとの色合いがキレイです。
メンマは太め、厚めに切られ、濃いめの味付けが塩のスープと麺には良く合います。
ラーメンには輪切りと焦がし2種類の葱と三つ葉がのせられています。
スッキリと仕上げられたスープに、アクセントとして三つ葉の香りと焦がしネギが際立っていました。
チャーシューは薄めに大きく切られたものが2枚入っています。
表面には味がしっかりと染み込んでいますが、薄切りが効いて、塩気にも絶妙感がありました。
麺は北海道産小麦「春よ恋」をつかった、「魂麺」自家製細ストレート麺です。
スープが塩だったので、非常にスルスルと食べられる感じの麺でした。
スープは鶏ガラと豚骨から丁寧に抽出したスープに、特製の塩ダレで味付けされています。
印象としては、かなりスッキリ感が強く飲みやすいのですが、麺やチャーシューなどとのバランスも弱く、もう少しインパクトが欲しかったです。
中田製作所(3月14日〜3月18日)
新潟県五泉市の行列店で、店主のセンスあふれるアレンジが光るオリジナリティのあるラーメンを提供している、中田直希店主率いる、「中田製作所」さんです。
カジキの昆布締め中田握り
カジキは1週間ほど昆布で締められ、寝かしたそうです。
とろけるように落ち着きある舌触りで、しっかりと昆布の旨味が移っていました。
お米は魚沼産コシヒカリをつかい、店主自ら握られていましたが、シャリの感じも美味しかったです。
新潟地鶏の富山ブラック
中田店主の生まれ故郷、「富山」のご当地麺・富山ブラックを、「新潟」の食材でアレンジして仕上げた逸品だそうです。
メンマには穂先メンマがつかわれ、2〜3本入っているので、ボリューム感がありました。
味付けはそれほどせずに、メンマ独特の風味が残され、スープなどとのバランスが保たれていました。
チャーシューは半分がスープに浸かっていて最初はわかりませんが、かなり大きく分厚く切られていました。
お肉は新潟のブランド豚「純白のビアンカ」をつかっているそうで、スープの味が乗り移っても辛く感じないよう、肉の味が残されています。
麺は国産小麦をつかった中細ストレート麺です。
角を感じるくらいに四角い断面は、食感も喉越しも良くツルシコ感があり、強めの印象のスープに負けないような主張がありました。
ラーメンスープは、新潟地鶏100%をベースに、4種類の醤油を特製ダレにつかっています。
ブラックペッパーなど数種類の香辛料で、辛味などをプラスし味の変化が付けられています。
キリッとした旨味と、コク深い醤油の風味で均整がとられ、ベースが鶏ということもあって、見た目以上に優しいスープになっていました。
店員さんが良い雰囲気でやる気に満ち溢れた感じがあって、非常にパワーを感じるようなお店なので、実店舗にもぜひ行ってみたいと思いました。
大船渡 黒船(3月6日〜3月11日)
岩手県の大船渡で「秋刀魚だし黒船」と「貝だしラーメン黒船SECOND」を展開する人気ラーメン店で、三陸ならではの海の幸の美味さを、存分に表現しつづける岩瀬龍三店主率いる、「大船渡 黒船」さんです。
浅利ごはん
浅利がはいった炊き込みご飯に、牡蠣がのせてあり、刻まれた三つ葉が添えてあります。
ご飯は浅利の旨味を目一杯染み込ませ、ほんのり茶色に色づいています。
添えられた牡蠣はそれほど大きくはないのですが、身はプックリと太り、三陸の冬の美味しさをギュッと詰め込んだようです。
浅利の風味をまとったご飯は出汁でキッチリと炊かれ、添えてある三つ葉とともに食べると料亭の味のようです。
栗ガニ白湯ラーメン
栗ガニは名前も聞いたことがないので調べてみると、北海道から東北など寒い土地の浅めの水深に生息し、毛蟹よりもひと回りほど小さい蟹だそうです。
毛蟹に比べると漁獲量が少ないが、身は味噌はもちろん、毛蟹はメスの漁獲を禁止されているが、栗ガニはメスの内子が絶品だとのこと。
ラーメンには乾燥岩海苔、味玉、水菜がのせてあります。
彩りも考えられてか、見た目の良さもありますが、食べていて抵抗感がないバランス感も絶妙です。
乾燥岩海苔はスープに溶かすと、香りがギュッと際立ち、全体の風味をさらに上げてくれます。
チャーシューは低温調理で赤みが残る豚の肩ロースと鶏の胸肉でしょうか。
厚めに切られた胸肉はすんなりとした歯ごたえと、少し強めの塩気がアクセントになっています。
肩ロースは薄めに切られているので、スープを包むように、肉の旨味を感じられます。
麺は岩手県産小麦100%の自家製中太麺です。
角を感じるほどに、歯ごたえがしっかりとしていて、スープから上げた際には、麺そのものの香りを感じられました。
強い印象もありつつ、柔軟な喉越しがあり、麺そのものの美味しさがあります。
ラーメンスープは、大船渡産の栗ガニと岩手県の南部鶏から抽出したスープをベースにしています。
メレンゲされた泡状のスープと液体スープで、見た目的には恵比寿にある蕎麦店「初代」さんのうどんを思い出しました。
鶏の動物系の風味と、蟹の海鮮の風味が見事に融合し、ヨーロッパ料理を思わせるような三陸の風土感を存分に感じられました。