外観
香川県から三好市を経由して愛媛県まで伸びる国道319号から、三好市街に入った市役所近くの路地にあります。
創業は1892年で100年以上続く老舗の風格ある佇まいです。
店名の「安宅(あだぎ)」は、歌舞伎の演目としても有名な「勧進帳」の舞台となった「安田関」で、先祖が住んでいたことに由来するそうです。
駐車場
店舗前に専用の駐車場があり4台置くことができます。
市街地の老舗羊羹店だというのに、駐車場完備には驚かされました。
店内
店内に入ると、落ち着きと風格を思わせる雰囲気で、奥のガラスからは丁寧に手入れされた中庭を望むことができます。
取り扱う商品は羊羹のみで、5個から用意されているので、気軽に立ち寄ることができます。
ちょん太ちょん平
「ちょん太ちょん平」とは、三好に伝わる心優しき兄弟の民謡をモチーフにしたそうです。
可愛らしいイラスト、「ちょん太ちょん平」というネーミングに心を打たれました。
店内飲食スペースはなく、持ち帰りのみのため、商品写真は購入したものを自宅にて撮影したものになります。
こちらの羊羹は保存料などを一切使用していませんが、ゴム風船の中に入っていることもあり、賞味期限は約1ヶ月とかなり長めです。
中には商品とともに、イラストで型どられた「ちょん太ちょん平」のカード、食べ方、爪楊枝が入っています。
5個入りの「ちょん太ちょん平」に、カードは入っていないそうなので、欲しいという人は10個入以上を購入すると良いでしょう。
羊羹はゴム風船に包まれ、1つ1つは、ひと口サイズとなっています。
ゴム風船は結ばれた反対側に刺すと、カンタンにツルッと剥くことができます。
カードに書かれた内容だと、丸い形は「ちょん太ちょん平」二子の善行を後世に伝えんが為、心の丸きを型どったそうです。
見た目は、真っ黒ではなく、少し茶色がかっています。
原材料は砂糖、小豆、寒天のみとなっています。
しっとりと感じる食感に、口の中に丁寧に広がる、甘さは後を引かず、2個、3個と食べてしまいました。
あとがき
地方に出かける時は、できる限り岸朝子さんが書かれている、「全国 五つ星の手みやげ」を見てから出発することを心がけています。ただ、場所や定休日など制約も多い中で、行けるお店は多くはありませんが、今回は掲載されていた「総本家 安宅屋羊羹」さんにお邪魔することができました。
店前に到着するや、建物の佇まい雰囲気、対応して頂いた女将らしき方も非常に丁寧で、心地良い時間を過ごすことができました。
甘さが強く感じられ歯に絡みつくような羊羹は大嫌いですが、保存料や甘味料などを一切つかわず、単純な要素をこれほどまでの美味しさに高める職人技には驚かされました。
先祖を偲び付けられた店名、「ちょん太ちょん平」の丸い羊羹に込められた思いなど、味だけでなく、哲学あるお店の生き様に多くのことを学ばさせて頂きました。