店舗情報
- 店名
- 甘味 十紋字
- 住所
- 群馬県前橋市上小出町2-23-24
- 営業時間
- 11:00~19:30
- 定休日
- 月曜(夏期は営業)
- ジャンル
- 和菓子
店舗所在地
その他の掲載サイト
紹介するのはこんなお店です
甘味処「十紋字」さんは1977年(昭和52年)。御主人はもともと群馬の甘味処で修行をされていたそうです。
店名の「十紋字」は、店主のルーツが薩摩(鹿児島)だったことに由来し、「丸に十の字(くつわ)」は、丸十とも呼ばれ、薩摩藩島津氏の家紋になります。
店内は和の趣が漂い、クリームあんみつや自家製ワッフルなどの甘味メニューが人気です。
4月から10月に提供されるかき氷は約40種類ものフレーバーがあり、手作りシロップとふわふわの氷が特徴で、遠方から訪れるファンも多いです。
全てのメニューに厳選素材を使用し、一品一品丁寧に作られていることが魅力で、前橋のスイーツ文化を支える存在となっています。
十紋字

前橋市街から国道17号で伊香保方面向かう途中、「なんきつ交番西」交差点を住宅街に入ったところにあります。
一軒家に看板があるくらいで、お店のことを知らなければ通り過ぎてしまうレベルです。
駐車場

店舗前に専用の砂利の駐車場があり、正確な数はわかりませんが、全部で10台以上は置けそうです。
どうして、こんなに駐車場が広いのかと思ったら、夏季シーズンはかき氷を提供し、その味を求めるお客さんが殺到するためだからです。
店内

住宅の一階部分を改装した店内は純和風な装いで、非常に落ち着いた空間になっています。
席数は、座敷席8席、テーブル12席の20席前後です。
メニュー

お餅をつかった、ぜんざいや田舎しるこなど、さまざまな種類の甘味があります。
メニューで気になったのは、ワッフル目立っていたので非常に気になってしまいました。

メニューの裏面はあんみつを中心に書かれていますが種類は豊富です。
訪問時期が秋だったため、以前は見かけなかった栗をつかったメニューもありました。
甘味は名前の違いでつかわれている食材が違うので、慣れないと分かりにくいですが、御主人に聞くと優しく教えてくれます。
かき氷
毎年4月中旬から10月中旬までの期間限定で、かき氷が提供されています。
開始も終わりどちらも20日前後とのことなので、訪問前に電話などで確認した方が確実です。
かき氷メニュー

かき氷が提供される時期になると専用メニューが壁に貼り出されますが、味の種類はかなり豊富で、ざっと全40種類くらいはありました。
メニューに表記された、「いちご」や「レモン」などシンプルに書かれたものは、氷とシロップのみ。
ソフトはアイスクリーム、ミルクは練乳が付き、追加でのトッピングはできませんでした。
コーヒー

トッピングが無いものを注文したので、シンプルに氷とシロップのみです。
氷は想像していたよりもずっと大きく、けっこう食べごたえがあるので、価格を考えるとこれだけでもお得感があります。

大きなかき氷に合わせて、シロップもけっこうな量があり、全部を食べ終えると結果的にはちょうど良かったです。
かき氷のためのシロップなので適度な甘さはありますが、抽出されたコーヒーのほろ苦さもちゃんとあります。

シロップを氷にかけると、さらに美味しさが伝わってきます。
はじめは氷だけに見えましたが、中心に近い部分まで食べ進めると、ちゃんと中にもシロップがかけられています。
シロップだけを舐めると強めの甘さを感じますが、氷で食べると絶妙にバランスが取られています。
ソフト宇治金時

名前にソフトが付いているので、アイスクリームがのせられた氷と抹茶のシロップです。
金時がてっきり氷にかけられてるのかと想像していたら、氷の中に詰められているそうです。

宇治のシロップは抹茶で、深い色合いの真緑がキレイです。
コーヒーと同じように甘さはありますが、抹茶としての苦味、香りをシッカリと感じることができます。

氷とアイスクリームに抹茶のシロップをかけますが、これだけで満足してしまうほどキレイな見た目です。
アイスクリームは懐かしい感じで、濃いバニラ味がまったりと口当たりはシンプルなところが好きです。

氷の中心部には金時(小豆)がたっぷりと入っています。
最初は抹茶のシロップと氷をシンプルに、そこにアイスクリームが加わり、最後は金時までと、満足度高めで豪華な一品です。
さてさと、今シーズンは何種類のかき氷を食べることができるのだろうか楽しみです。
田舎しるこ

お餅が入った汁粉ですが、見た目からしてキレイで美味しさが漂ってきます。
おしることいっしょに、口直しのお漬物も付いてくるので、甘味好きとしては嬉しいポイントです。

口直しのお漬物は胡瓜のお漬物は、しっかりと漬け込まれた感じの見た目です。
甘いおしること交互に食べると、口直しを兼ねて飽きずに、いっそう上品な味を楽しむことができます。

丁寧に炊かれたおしるこは、甘すぎず良い塩梅で非常に美味しいです。
お餅は小さく切られたのものが2つ入っていますが、表面には焼かれた焼色が付き、餅米の香ばしさが感じられます。
白玉クリームあんみつ

あんみつに白玉とクリーム(アイスクリーム)がのせられた豪華なあんみつです。

あんみつに付いてくるのは黒蜜で、舌触りが非常にサラサラとしています。
味はしっかりと黒糖が溶け込み、重厚感がありつつも、すっと消えていくような甘さがとても美味しいです。

あんみつは、フルーツや白玉などがてんこ盛りなので、けっこう食べごたえがあります。
画像はありませんが、底には寒天とみつ豆があり、こちらも丁寧な仕事を感じさせてくれます。

あんみつの彩りのある果物は、さくらんぼ、みかん、パイナップルなど定番のものです。
缶詰の果物ではなく、しっかりと果物の美味しさや酸味も感じさせてくれます。

白玉は全部で5個入り、注文を受けてから作られるので、赤ちゃんのホッペタのような、出来立てのモチモチ食感が食べていて気持ち良いです。

餡は若干崩れ適度に溶け込んでいますが、それでも皮の食感などが感じられます。
汁粉同様に良い塩梅の甘さで、口の中で豆の香りが広がる感じに、丁寧に時間をかけ炊かれているのが想像できます。

黒蜜は少しづつ全体にかけていきますが、甘さが良いアクセントとなっています。
どの食材を食べてもバランス感が保たれ、さまざまな顔を見せてくれます。
マロンクリームあんみつ

秋にお邪魔した時は、季節限定のマロンクリームあんみつを頂きました。
今回注文したあんみつには求肥が入っていましたがこれも絶品でした。

いつもはバニラ味のアイスクリームがのせられていますが、栗のソフトクリームです。
極端に主張せずとも、栗とわかる風味程度の味付けが絶妙です。

今回食べたあんみつには栗の甘露煮も入っています。
炊かれた栗は絶妙な歯ごたえを残しつつ、栗の風味は損なわい丁寧な手仕事を思わせてくれます。
あとがき
暖簾をくぐり店内に入ると、高齢の店主が笑顔で迎え入れてくれます。甘味独特の言い回しなど、分からないことを聞くと丁寧に教えてくれます。あーだこーだ言うことも無ければ、けっして偉ぶる感じも無く、ただただ優しい印象です。
注文を受けると、すっと店の奥に消え、カチャカチャと調理する音が聞こえる。しばらくすると、見事な甘味が運ばれてくる。
こちらの十紋字さんは、優しい雰囲気の御主人が、餅、餡、寒天、みつ豆、1つ1つを丁寧に手作りしているのが、どの食材をとっても手に取るようにわかります。
これだけ美味しい甘味は東京でも、そうそう食べられるものではないし、驚くほどの安価で提供されている店主の心意気には、感謝の言葉しか浮かばない。