外観
前橋市街から伊香保方面へ走る国道17号から一本入った住宅街にあります。
一軒家に看板があるくらいで、知らなければ正直通り過ぎるレベルです。
駐車場
店舗前に専用の駐車場があり、全部で10台以上は置けそうな感じです。
どうして、こんなに駐車場が広いのかと思ったら、夏季シーズンはかき氷を提供しているそうで、お客さんが殺到するためだそうです。
店内
外観は一軒家そのものですが、店内に入ると純和風な装いで、非常に落ち着いた空間になっています。
席は、座敷席8席、テーブル12席の20席前後となっています。
メニュー
お餅をつかった、ぜんざいやしるこなどがあります。
面白いとこでは、ワッフルなども非常に気になってしまいます。
裏面はあんみつなどですが、こちらも種類が豊富で、秋にお邪魔したこともあって、栗が入ったものなどもありました。
甘味は微妙に名称の違いで入っているものが違うので、分からないことは御主人に聞けば優しく教えてくれます。
田舎しるこ
一般的なおしるこで、汁粉の中にお餅が入っています。
おしることいっしょに、口直しのお漬物も付いてきます。
口直しのお漬物は、胡瓜のお漬物です。
甘いお汁粉と交互に食べると、口直しを兼ねて一層甘みを上品に感じられます。
丁寧に炊かれたお汁粉は、甘すぎず良い塩梅で、非常に美味しいです。
お餅は小さめのものが2つ入っていますが、表面が焼かれており、餅米の香ばしさをしっかりと感じられます。
白玉クリームあんみつ
あんみつに白玉とクリーム(アイスクリーム)がのせられた、豪華なあんみつです。
あんみつに付いてくる黒蜜は、舌触りは非常にサラサラです。
味はしっかりと黒糖が溶け込んでいて、重厚感ある甘さがとても美味しいです。
あんみつはてんこ盛りという感じで、けっこう食べごたえがあります。
見た目の盛り付けも非常に丁寧で、キレイな印象を受けます。
画像はありませんが、底には寒天とみつ豆がありますが、こちらも丁寧な仕事を感じさせてくれます。
あんみつの彩りのある果物も、さくらんぼ、みかん、パイナップルなど定番のものです。
缶詰のものはなさそうで、白蜜に漬けられたような甘さはなく、酸味も感じさせてくれます。
白玉は全部で5個です。
注文を受けてから作られるそうで、出来立てのモチモチ食感が非常に美味しいです。
餡は適度に溶け込んでいて、しっとりとした食感も非常に良いです。
汁粉同様に良い塩梅の甘さで、口の中で豆の香りが広がる感じが、とても美味しいです。
黒蜜は少しづつ全体にかけていきますが、甘さが良いアクセントとなっています。
どの具にしても非常にバランス感というか、独立した味をしっかりと保っています。
かき氷
十紋字さんでは、毎年4月中旬から10月中旬までの期間、かき氷を食べることができます。
どちらも20日前後とのことなので、訪問時には確認をした方が確実かと思われます。
かき氷メニュー
かき氷が提供される時期になると、専用のメニューが壁に貼られます。
提供される味の種類はかなり豊富で、全部で30くらいはありそうでした。
追加トッピングなどは用意されておらず、メニュー表記で、いちごやレモンなどシンプルに書かれたものは、氷とシロップのみ。ソフトはアイスクリーム、ミルクは練乳が付いてきます。
コーヒー
トッピングを付けなかったので、シンプルに氷とシロップのみです。
氷は想像していたよりも、ずっと大きく、けっこう食べごたえがありました。
かき氷がけっこう大きいため、シロップの量もけっこうありました。全部を食べ終えると、結果的にはちょうど良かったです。
氷のシロップなので、適度な甘さはありますが、抽出されたコーヒーのような苦さもちゃんとあります。
シロップを氷にかけると、さらにシロップの美味しさが伝わってきます。
一見すると氷だけに見えますが、中心に近い部分まで食べ進めると、ちゃんとコーヒーのシロップが中にもかけられていました。
シロップだけだど、若干強めに甘さを感じるたのですが、そこはさすがというか、氷で食べると絶妙な具合でした。
ソフト宇治金時
ソフト=アイスクリームがのせられた氷と、抹茶のシロップです。
金時なので、てっきり氷にかけられてるのかと思いきや、氷の中に詰められているそうです。
宇治なのでシロップは抹茶ですが、真緑でキレイな色合いです。
コーヒーと同じように甘さはありますが、抹茶としての苦味、香りがシッカリと感じられるのが素晴らしいです。
氷アイスクリームに抹茶のシロップをかけますが、これだけで満足的にキレイです。
懐かしい感じのアイスクリームで、濃いめのまったりとしたシンプルな味が好きです。
中心部には金時(小豆)がたっぷりと入っていました。
最初は抹茶と氷をシンプルに。そこにアイスクリームが加わり、最後は小豆まで。満足度高めで豪華な一品です。
さてさと、今シーズン何種類を食べることができ、何度更新できるのだろう。
あとがき
創業はおよそ50年近く前の1977年(昭和52年)。もともとは群馬の甘味処で修行をされていたそうです。店名の「十紋字」は、店主のルーツが薩摩(鹿児島)だったことに由来します。「丸に十の字(くつわ)」は、丸十とも呼ばれ、薩摩藩島津氏の家紋になります。
暖簾をくぐり店内に入ると、高齢の店主が笑顔で迎え入れてくれます。甘味独特の言い回しなど、分からないことを聞くと丁寧に教えてくれます。あーだこーだ言うことも無ければ、けっして偉ぶる感じも無く、ただただ優しい印象です。
注文を受けると、すっと店の奥に消え、カチャカチャと調理する音が聞こえる。しばらくすると、見事な甘味が運ばれてくる。
こちらの十紋字さんは、優しい雰囲気の御主人が、餅、餡、寒天、みつ豆、1つ1つを丁寧に手作りしているのが、どの食材をとっても手に取るようにわかります。
これだけ美味しい甘味は東京でも、そうそう食べられるものではないし、驚くほどの安価で提供されている店主の心意気には、感謝の言葉しか浮かばない。