旧大田銀行・塩町館
常陸太田市の旧市街地にあたる場所にあり、建物は1897年に建てられた旧太田銀行の建物をイノベーションしたものです。
周辺は、太田城(佐竹城・舞鶴城)跡があった、鯨ヶ丘と呼ばれる高台で、城下町のような古い建物や石畳の道路と雰囲気があります。
最寄り駅は水郡線の常陸太田駅で、徒歩15分ほどと少し遠めです。
駐車場
店舗前の大きく広がった場所が駐車場になります。
砂利ですがおよそ20台以上が置けそうな広さです。
店舗周辺は一方通行が多い市街地になっています。
道はそれほど狭くないのですが、出庫時などには注意してください。
店内
明治時代の建築というだけあり、ノスタルジーを感じつつも時代の勢いのようなものを感じられます。
店内は靴を脱いで上がる板間で、席はテーブル席のみで、全22席となっています。
木造2階建ての建物で、吹き抜けのような作りになっています。
見事な梁や木に刻まれた、歴史の長さを感じます。
店内の奥には蕎麦打ち場をガラス越しに見ることができます。
メニュー
蕎麦はシンプルなざるから地元の食材を使用したものまで、全部で15種類ほどです。
他にもうどんや一品料理などがあります。
一品料理も地元の食材などを使用していて、聞いたこともないような珍しい料理などもありました。
雑きのこの湯がき
自然豊かな奥久慈なども近いので、地物のきのこでしょうか。
きのこ好きには堪らない一品です。
大根おろしが添えられて、湯がきというだけあり、味付けもそこそこです。
きのこの食感は非常に張りがあり、鮮度の良さと香りを感じられます。
味付けが非常に優しく、きのこの味がシンプルに味わえて非常に美味しいです。
岩魚のうるか
聞いたこともない料理だったので、店員さんに聞くと塩辛のような、酒のあてだそうです。
塩気が非常に強いのですが、濃厚な岩魚の肝を使っているので味わいがあります。
思わずノンアルコールビールを注文して、その味を楽しみました。
焼畑そばがき
お蕎麦が美味しいということなので、きっとそばがきも美味しいだろうと注文してみました。
そばがきにはお味噌と葱がついてきます。
味噌は自家製だそうで、ほのかな塩気と大豆の旨味がギュッと詰まった感じで、そばがきの甘さと非常に良く合います。
そばがきは湯に使っているわけでもなく、タレがかかっているわけでもなく、シンプルに饅頭の状態です。
そばがきは繊細な細かさから、少し粗めに舌に絶妙に残るくらいで美味しいです。
甘みと蕎麦の香りを存分に感じることができて美味しいです。
葱天せいろそば
葱好きとしては、決して見逃すことのできない、葱天とせいろ蕎麦のセットです。
葱が5センチほどの長さに切られていて、シットリと揚がっています。
味は非常に甘く、蕎麦とも相性が良い感じです。
およそ葱1〜2本分のボリュームある感じですが、最後まで飽きることは全く無く美味しいです。
そば汁はシンプルな醤油感があります。
味は甘い感じですが、しっかりと返しも効いていて、蕎麦との相性も非常に良いです。
玄蕎麦をつかっているとのことなので、全体的に色味は黒く、外殻の星を見ることができます。
細いのですが、しっかりとコシがあり、十割独特の味と食感が食べた瞬間に美味しいと感じられます。
蕎麦は焼畑農法により栽培し、手刈り天日干しの後、自家製粉したものを蕎麦にしているこだわりです。
〆の蕎麦湯はもちろんそのままでも十分美味しいのですが、葱天の天かすを入れて楽しませてもらいました。
これだけで十分な一品料理のような感じの満足度がありました。
あとがき
築100年を超える明治建築は、雰囲気が非常に良く、落ち着いた店内が好きでした。蕎麦は奥久慈の蕎麦の有名店「慈久庵」さんのお弟子さんがお店を切り盛りしているそうで、慈久庵さん同様に蕎麦のレベルは非常に高く美味しいです。
慈久庵さんは、なかなか食べることができない「幻のお店」みたいな感じなので、常陸太田の街並みを見つつ、蕎麦を楽しんでみてはどうでしょうか。
店舗情報
- 店名
- 慈久庵鯨荘 塩町館
- 住所
- 茨城県常陸太田市西一町2325-1
- 営業時間
- 11:00~14:30 17:00~20:30
- 定休日
- 木曜、第四水曜
- ジャンル
- 蕎麦