外観
東京メトロ有楽町線の銀座一丁目駅10番出口を出て、新富町方面に向かい徒歩1分の場所にあります。
ぱっと見、外観ではわかりにくいのですが、看板が上と下にそれぞれあるので、近くまで来れば分かるかと思います。
店舗はビルの地下1階にあり、階段で降りると開いた扉があります。
オリジナルTシャツやカレーのディスプレイなどが飾られ、ちょっと怪しげな感じです。
店内
BARを思わせるような長めのカウンター席が奥まで続き、赤を貴重としたオシャレな印象の空間です。
場所柄、インバウンドの外国人観光客も多いのですが、店員さんは流暢な英語で対応されていたのも印象的でした。
カウンター席の壁には、芸能人や業界の人の直筆サインが書かれていました。
舞台俳優の市村正親さんや、グラフィックデザイナーのサイトウマコトさんなど、幅広い客層がうかがえます。
カウンターの反対にはテーブル席もあり、掲載された雑誌の切り抜きなどが飾られています。
席はカウンター8席ほど、テーブル8席ほどの全15席くらいです。
メニュー
メニューはカレー、正式には辛来飯(カライライス)とコーヒーのみとなっています。
カレーは品川に始まり、大井、大森、蒲田、つん蒲、が通常メニューで、裏メニューとして川崎、鶴見があるそうで、京急大井町線をもじったネーミングはダジャレ好きの先代からのものだそうです。
トッピングはルー、チーズ、玉子増しの3種類です。
辛来飯 つん蒲
メニューの素朴な疑問、京急大井町線には無い、「つん蒲」とはなんだろうと思い調べると、「つんのめった蒲田」とのこと。
つん蒲は、240gとカレーのサイズ的には少なめですが、食べ終えるとそうでもないが不思議です。
素朴なオシャレ感があるお皿の店名は、実は全て手書きだそうで、川崎、鶴見には入っていないそうです。
カレーには福神漬けと刻んだ酢漬けの玉葱らしきものが、デフォルトで添えられています。
1番の特徴は、カレーの上に乗った目玉焼きです。
黄身が非常にキレイな玉子は、津軽産の「じょっぱり」という玉子をつかっているそうです。
甘みがあるので、カレールーといっしょに味変のように食べると、まろやかな口当たりが美味しいです。
カレーのお味はというと、最初のひと口を食べた瞬間は、「子供じみた甘々なカレー」と思ってしまうくらいの衝撃的な甘さです。
ところが次の瞬間には、心地良い辛さのスパイスが効きはじめ、ルー全体のギュッと濃縮された旨味が怒涛のように押し寄せてきました。
決定的なのは、目玉焼きとの味変で、最初は甘く感じたカレーのスパイシーさが強調され、見事な融和を見せつけてくれました。
脳内パニック状態で無性に頬張り続け、あっという間の完食でした。
あとがき
【東京カレー探訪 4軒目】 食べログで、「カレー百名店」で美味しそうで行きたくなるお店を探していた際に、目玉焼きのビジュアルに心惹かれお邪魔してみました。
店内や入口の様子などから、オシャレ系のお店かと思いきや、創業は戦後翌年の1946年、元々は有楽町寄りにあったのですが、2012年に一度閉店。2013年に現在の場所で復活する紆余曲折な歴史があります。
現在の3代目店主は毎週通う常連客だったそうで、先代から味を受け継いで現在に至るそうです。
カレーの味は、甘い辛いだけでは表せない、複雑かつ面白みのある味に、思わず笑みが溢れるとは、まさにこの事だった。240gのカレーには、ボリュームには無い満足度と旨さで、満足度でお腹いっぱいでした。
国民食となったカレーが好きな人なら一度は訪れて、この複雑な味を堪能して欲しいです。