ブログには常に1000軒前後のレビュー記事がアップされ、埼玉や東京などの関東地方を中心に年数回の旅行などで全国各地を年間200軒ほど食べ歩いています。
関東在住ですが旅行好きということもあって、地方の飲食店さんにも足を運ぶのが一番の楽しみです。
飲食店さんの魅力を少しでも多く発信・共有できればと思いますので、気が向いた時にでも訪問お待ちしております。
中里さんは1873年に日本橋で三河屋安兵衛の屋号で創業、その後、駒込に店を移し、現在は5代目とその家族4人で菓子作りから販売、配達までの全てを担っています。
紆余曲折を経て、現在は通年販売を2種類に絞っていますが、食通が美味しいと語る名品を守り続けられています。
JR山手線もしくは、東京メトロ南北線駒込駅の南口を出て、商店街を1分ほど進んだところにあります。
店舗は町の和菓子屋さんという印象で、派手さは無くひっそりと佇み町に溶け込んでいます。
お店がちょうど交差点の角にあるので、正面がわかりづらいのですが、うぐいす色の建物に屋号の看板があるので、目印にしてください。
店内正面にはお店の屋号が飾られています。
創業1873年と100年以上の歴史のある店舗だけに、木で作られた屋号には重みを感じます。
残念ながら店内に飲食スペースはなく、お持ち帰りのみとなっています。
それほど広くない店内ですが、かえって店員さんとお客さんの距離が近く親近感が持てました。
かつては上生菓子も作っていたそうだが、長年勤めた職人さんたちが退職した際に品数を絞り、現在通年で作っているのは、揚最中と南蛮焼の2種類だけです。
ただし、どちらの商品もすぐに売り切れてしまうので、できる限り早い時間帯での来店をオススメします。
どら焼きのような見た目をしていますが、一般的などら焼きよりも小振りな印象で、表面の皮の焦げ茶色が特徴的です。
包装から開けた途端、上品な甘みのある香りを感じることができます。
一般的などら焼きは材料に玉子をつかいますが、南蛮焼では玉子はつかっていないそうです。
厚みのある皮は、ふっくらとしつつも、張りのあるような食感が、心地よい噛みごたえを残します。
皮には沖縄産の黒糖をつかっているため、上品な甘さが美味しいです。
餡には北海道産小豆をつかい、豆の香りが非常にダイレクトに伝わってきます。
ふっくらとした小豆の形を感じさせつつ、瑞々しい食感もあるので皮との相性も良いです。
南蛮焼きとともに、中里さんを代表する菓子の1つである揚最中です。
店舗にお邪魔したときは残念ながら品切れだったのですが、後日、東京駅直結の大丸東京店で購入しました。
手に収まるほど小さなサイズの煎餅で、数時間後には湿気ってしまうほど繊細な煎餅です。
持ち帰り時間が経過した際には、オーブントースターなどで軽く火を入れると、香ばしさが戻ります。
煎餅の塩気と粒餡の甘さが絶妙なバランスで、和菓子の醍醐味という引き算が見事に集約されたような一品です。
駒込の駅から徒歩1分、駅近くの商店街の和菓子屋さん。気にも止めなければ通り過ぎてしまうかも知れない、そんな場所にこそ名店があるのが東京です。
沖縄産黒糖と北海道産小豆、甘さと甘さが喧嘩してしまいそうだが、食べてみるとそんな想像はどこへやら。小さいサイズだが、重厚さを感じさせてくれる味に満足度もあり、茶菓子としても最高の一品です。