外観
JR山手線もしくは東京メトロ南北線の駒込駅南口を出て、商店街を1分ほど進んだ場所にあります。
町の和菓子屋さんという印象で、外観に派手さはなくひっそりと佇んでいる印象です。
店舗がちょうど交差点の角にあるので正面がわかりづらいのですが、うぐいす色の建物に屋号の看板があります。
店内
店内正面にはお店の屋号が飾られています。
創業1873年と100年以上の歴史のある店舗だけに、木で作られた看板に重みを感じさせてくれます。
残念ながら店内に飲食スペースはなく、お持ち帰りのみとなっています。
それほど広くない店内がかえって、店員さんとお客さんの距離が近く親近感が持てました。
かつては上生菓子も作っていたそうだが、長年勤めた職人さんたちが退職した際に品数を絞ったそうです。
現在通年で作っているのは、揚最中と南蛮焼の2種類だけとなっていますが、すぐに売り切れてしまうので、できる限り早い時間帯での来店がオススメです。
南蛮焼
どら焼きのような見た目をしていますが、皮の焦げ茶色が違いが非常に特徴的です。
包装から開けた途端に、上品な甘さの香りを感じることができます。
一般的などら焼きは材料に玉子をつかいますが、南蛮焼では玉子はつかっていないそうです。
厚みのある皮は、ふっくらとしつつも、張りのあるような食感が良い歯ごたえです。
沖縄産の黒糖をつかっているため、上品な甘さが美味しいです。
餡には北海道産小豆をつかい、豆の香りが非常にダイレクトと伝わっています。
豆の形状を感じさせつつも、みずみずしい食感もあるので皮との相性も良いです。
あとがき
駒込の駅から徒歩1分、駅近くの商店街の和菓子屋さん。気にも止めなければ通り過ぎてしまうかも知れない、そんな場所にこそ名店があるのが東京です。
中里さんは1873年に日本橋で三河屋安兵衛の屋号で創業、その後、駒込に店を移し、現在は5代目とその家族4人で菓子作りから販売、配達までの全てを担っている。紆余曲折を経て、現在は通年販売を2種類に絞っていますが、食通が美味しいと語る名品を守り続けられています。
沖縄産黒糖と北海道産小豆、甘さと甘さが喧嘩してしまいそうだが、食べてみるとそんな想像はどこへやら。小さいサイズだが、重厚さを感じさせてくれる味に満足度もあり、茶菓子としても最高の一品です。