蕎遊庵の情報
- 店名
- 蕎遊庵
- 住所
- 栃木県足利市西宮町2549
- 営業時間
- 11:00 - 13:00
- 定休日
- 火曜日
- 価格帯
- 1000円〜1999円
- ジャンル
- 蕎麦
店舗所在地
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足利織姫神社

足利織姫神社は、1705年に創建されたと伝わり織物の神様を祀る神社です。足利は古くから織物が盛んな地であり、織姫神社は地元の産業振興の守り神として崇敬されてきました。
朱塗りの社殿は美しく、織姫山の中腹にあるため境内からは関東平野を一望できる景勝地としても知られています。
蕎遊庵

足利織姫神社の鳥居から、約200段の階段を上がるとお店があり、店名は「蕎遊庵」と書いて「きょうゆうあん」と読みます。
社殿までは残り3〜40段ほどなので、観光などで神社参拝の際に訪れても良いでしょう。
最寄り駅はJR両毛線の足利駅から約1km、東武伊勢崎線の足利市駅から約1.5kmほどの距離があります。

人気が高いお店なので、店前に受付票が設置されますので、名前と人数、テーブルor座敷席の希望を書きます。
店内は広いため一度に30人ほどが入店できますが、混雑を避けるのであれば、開店30分ほど前には来店して記帳することをオススメします。
駐車場

車で来店される場合、「織姫神社前」交差点横にある「織姫観光駐車場」を利用することができます。
全部で20台ほど駐車することができますが、ゴールデンウィークなどは満車率が高いので、その場合、近くの公共の有料駐車場「巴町駐車場」を利用できます。
高齢者や足が不自由で階段を上がるのが大変な場合、足利織姫神社の社殿近くにある「織姫駐車場」が最寄りになります。
店内

入口近くには、石臼や蕎麦切り包丁が置かれた蕎麦切り場を抜け、独特でカラフルな手漉き和紙が貼られた障子などで独特な雰囲気です。
織姫山の中腹に位置するため、見晴らしが良く足利市街などを望むことができます。
席は、テーブル6席、小上がりの座敷席32席の全38席です。
メニュー

冷たいお蕎麦は7種類ほど、更科粉のみをつかった「さらしな一本」や「田舎そば」などがあります。
つかわれている蕎麦は細かく設定されているため分かりにくい場合でも、店員さんに聞けば違いを丁寧に教えてくれます。

温かい蕎麦は、シンプルな「かけそば」、有明海の海苔をつかった「花巻そば」、京都で有名な「にしん蕎麦」があり、一品料理には「身欠きにしん」と「玉子焼き」があります。

季節で異なる蕎麦を楽しむことができ、山椒をつかった「木の芽切り」や「冷汁すだち」の蕎麦が提供されていました。
数量限定ではありますが、福井県産の在来種をつかった玄挽き十割蕎麦「黒蕎麦」もあります。
蕎麦屋の日替わり玉子焼き

2種類の具材が日替わりで楽しめる数量限定の玉子焼きです。
玉子焼きには自家製で紫色をした「辛いね大根」が添えられています。

具材は九条ネギと釜揚げシラスで、表面はしっかりと焼かれ具材とともに芳醇な風味が口の中に広がります。
包み込まれるようなふっくらとした食感とともに、噛みしめるとジューシーな鰹出汁の美味しさが溢れ出てきます。
木の芽切り

4〜5月の季節限定で提供される「木の芽切り」蕎麦です。
蕎麦の実の中心部だけをつかった「さらしな粉」に山椒の葉を練り込んだ蕎麦です。

繋ぎが難しいさらしな粉にも関わらず細めに切られ、繊細ながらも抜群の喉越しを生み出しています。
はじめはさらしな粉らしい甘みの強い蕎麦の味わいが広がり、喉に落ちる間際に山椒の爽やかな風味が口から鼻へと伝わってきます。
さらしなの繊細な風味の中で、山椒の爽やかさが見事に表現されています。
冷汁すだち

5〜8月の季節限定で提供される「冷汁すだち」の蕎麦です。
蕎麦は「おせいろ」もしくは、「さらしな一本」のどちらかを選ぶことができます。

冷汁は濃厚な鰹出汁が効き、冷たさのなかでもしっかりと伝わる鰹の風味を感じ取ることができます。
蕎麦は適度なコシがありつつも、汁と合わさっても違和感を生むことなく、相乗効果のようにそれぞれの美味しさが楽しめます。

極めつけは蕎麦の中央に添えられた泡状のムース(エスプーマ)です。
エスプーマはすだちの果汁と鰹出汁を合わせたもので、冷汁や蕎麦に合わせて楽しむことができます。
黒蕎麦

希少な福井県産の在来種をつかった玄挽きの十割蕎麦です。
蕎麦は盛りが良く、およそ200gくらいほどあるため、かなり高めな満足度を生み出してくれます。

薬味は葱と玉子焼きにも添えられていた自家製の辛いね大根が添えられます。
蕎麦汁には「枕崎鰹節一本釣り本枯節2年もの」がつかわれ、丁寧に抽出された鰹出汁がしっかりと効いています。
醤油に強いインパクトは無いにも関わらず、鰹の風味の強さから蕎麦には十分過ぎる美味しさです。

平打ちで太く打たれた玄蕎麦は、真っ黒にも近いような色合いで、表面には多くの星を見ることができます。
さらしなの繊細さに比べると、ザラザラにも近いような舌触りが十割蕎麦を食べていることを実感させてくれます。
蕎麦の風味はもちろんのこと、強烈な甘さを感じることができ、蕎麦が本来持ち合わせる美味しさが引き出されています。
あとがき
蕎遊庵さんは、2005年に蕎麦打ち教室として創業し、現在では本格的な蕎麦店として全国から蕎麦通が訪れるまで人気となった蕎麦屋です。店主の根本氏は市内の一茶庵創業者で江戸前蕎麦にも精通した片倉康雄氏の晩年期に親交を持っていたそうです。
季節感ある蕎麦(変わり蕎麦)は数あれど、なかなか蕎麦との融合という点において、これほどまでの高みにまで美味しさを仕上げたものには出会うことはできません。つかわれている素材もさることながら、それらを見事に使い切る技術や手間暇は見事としか言いようがありません。
古い歴史を持つ足利の地で、朱色の神社を訪れた際には、是非とも食べたいお蕎麦です。