外観
東京メトロ丸ノ内線の後楽園駅や、都営三田線の春日駅から徒歩3分ほどのマンションの1階部分にあります。
店名の「わたべ」ですが、漢字で書くと「和多遍」と表記するようです。
店内
店内は純和風の落ち着いた雰囲気で、3つの空間に分かれています。
席はテーブル20席。和室10席の全30席となっています。
メニュー
うな重は全部で4種類の大きさで、えんま重という、白焼とうな重のセットなどもあります。
白焼や蒲焼きなどの単品でのメニューもあります。
一品料理は鰻を使った料理で、割烹のような本格料理が多い印象です。
肝やヒレ焼などの串焼きは、事前予約が必要なので、お店のHP等で確認してください。
お通し
お酒を注文したので、お通しの料理は「芝エビと茄子の焼き浸し」で。
プリプリとした海老の食感、オクラや茄子の野菜を活かす本格的なお出汁の感じが良いです。
鰻のコンソメスープ
鰻の頭や骨で出汁を取ったコンソメスープです。
濃厚なコンソメの味は非常に上品で、舌触りも円やかに仕上がっています。
わたべさんの三代目御主人は、日本でフランス料理を、スペインでは炭火料理をそれぞれ学んだそうで、フレンチの技術が生かされています。
肝焼き
事前予約した肝焼きで、1日限定6本ほどの提供だそうです。
継ぎ足しのタレを炭火に丁寧に焼いた一品で、肝は何匹もの鰻から取ったものです。
火の入れ方が絶妙で、肝の柔らかさを残しつつ、炭の香ばしさを十分に感じさせてくれます。
ヒレ焼き
こちらも肝焼き同様に事前予約したものになります。
一般的なヒレ焼きは、わりと細めなのですが、こちらのヒレ焼きはかなり太くボリュームがある印象です。
味付けは塩で加減も非常に良く、ヒレの旨味を存分に感じることができます。
口にすると脂がジュワッと滴り落ち、口の中で溶けていくのが分かります。
うな重(特上)
鰻屋さんで、うな重を注文する時は鰻一匹分しか食べないので、こちらでは特上になりました。
うな重のほかに、肝吸いとお新香が付いてきます。
お新香は奈良漬け、白菜、人参、大根、胡瓜の4種類です。
浅漬けですが、しっかりといい塩梅での味加減はご飯のお供として美味しいです。
肝吸いは椀の蓋を開けた瞬間に、ゆずの香りが広がります。
肝は非常に大きく、プリッとした食感を楽しむことができます。
目一杯に入って鰻が見た目でも食欲をそそります。
蓋を開けた瞬間に 炭火で焼かれたタレと鰻の香りに包み込まれます。
関東風にしっかりと蒸されているため、中はフワッとした膨らむような食感、外は炭火で焼かれた香ばしさで非常に美味しいです。
あとがき
わたべさんは創業70余年ほどで、 ミシュランガイドで連続受賞するなど、評価は内外を問わず素晴らしいものです。
都会のど真ん中しかも上の階はマンションと、鰻屋にとって必要な煙と水はどうしているのかと聞くと、煙はマンションの最上階まで上げ。水は独自に引いているそう。設備費用だけでも相当掛かったのだと容易に想像がつく。でも、それが看板を守ること、味を伝えることなのかと凄みを感じました。
料理は鰻が美味しいのはもちろん、鰻のコンソメスープからは、日本でフランス料理を、スペインでは炭火料理をそれぞれ学んだそうで、フレンチの技術を活かす三代目御主人のイノベーションを感じました。これからも目が話せないお店です。