平塚ラオシャン

神奈川県平塚市で長年親しまれているご当地ラーメン「平塚タンメン」は、独特のスタイルが地元民に根強い人気を誇っている。
戦後間もない頃に誕生し、主に中国・東北地方の家庭料理をルーツとしながらも、日本人の味覚に合わせて独自の進化を遂げました。
このラーメンは発祥店の名から「ラオシャン」と呼ばれるが、野菜たっぷりの一般的なタンメンとは異なり、具材の少なさと酸味の強さが際立ちます。
地元では「ラオシャン系」と呼ばれる複数の店舗が存在し、いずれもシンプルなメニュー構成と無添加・無化学調味料へのこだわりで知られ、途中でラー油を加えて味変を楽しむのも平塚流の食べ方として定着している。
ラオシャンは平塚市民のソウルフードとして長年愛され続け、他県からも多くのファンが訪れる存在となっている。
シンプルながらも唯一無二の個性を持つこのラーメンは、平塚の食文化を象徴するご当地グルメである。
老郷(ラオシャン)本店

神奈川県の平塚駅から徒歩1分にある「老郷(ラオシャン)本店」は、1957年(昭和32年)に創業された、平塚タンメン発祥の老舗ラーメン店です。
初代店主が「オリジナリティのあるラーメンを作りたい」という思いから、独自のタンメンを開発しました。
創業から70年近く経った今も、親子三代にわたって受け継がれる味と心意気が、多くの人々を惹きつけています。

店内は2014年に改装され、カウンター席に加えて家族連れでも利用しやすいテーブル席が設けられました。
食券制を採用しており、メニューはタンメンと餃子の2品のみというシンプルな潔さと自信の現れが見えます。
餃子は刻み玉ねぎをベースにした餡を使用し、カリッと焼き上げられた一品で、タンメンとの相性も抜群です。

このタンメンは、一般的な塩味の野菜タンメンとは異なり、酢をベースにした澄んだスープが特徴です。
具材はワカメ、玉ねぎ、メンマのみとシンプルで、麺はかん水を使わない白いストレート麺を使用しています。

素材はすべて国産にこだわり、化学調味料を一切使わず、創業以来変わらぬ味を守り続けています。
また、テーブルには自家製のラー油が用意されており、途中で加えることで味の変化を楽しむことができます。
地元の人々にとっては日常的な食事処として、また観光客にとっては平塚の食文化を体験できる場所として親しまれています。
花水ラオシャン本店

花水ラオシャン本店は、神奈川県平塚市花水台に店を構える老舗ラーメン店で、1951年創業と長年の歴史を誇ります。
平塚駅からバスで10分ほどの場所にあり、地元の商店街の一角に佇むその外観は、長年地域に根付いた風格を感じさせます。

店内はカウンター席のみ(約15~18席)で、決して広くはありませんが、明るく活気があり、親切な接客も評判です。
開店直後から行列ができることも多く、待ち時間には店員が事前に注文を聞きに来るなど、スムーズな対応が印象的です。
客層は地元の常連から観光客まで幅広く、世代を超えて愛される平塚のソウルフードとしての地位を確立しています。

この店の最大の特徴は、一般的な野菜たっぷりのタンメンとは一線を画す、独特な「平塚タンメン」です。スープは透明で、リンゴ酢を使った爽やかな酸味が際立ちます。
この酸味はクセになると評判で、後味が軽やかで飲み干したくなる味わい。麺はかん水や卵を使わずに作られた白い細麺で、歯切れがよくスープとの相性も抜群。
具材は刻み玉ねぎやワンタンなどシンプルで、トッピングにはワカメや卵、チャーシュー、キムチ、ネギなど多彩なバリエーションが揃います。

メニューの豊富さも花水ラオシャンの魅力のひとつです。タンメンだけでも7種類以上が用意されており、餃子や焼きワンタン、季節限定の冷やしタンメンやもつ煮込みなどサイドメニューも充実しています。
価格もリーズナブルで、シンプルなタンメンは400円から楽しめるため、幅広い世代に親しまれています。
受け継がれてきた伝統の味と、優しい雰囲気が花水ラオシャン本店の大きな魅力となっています。
- 花水ラオシャン本店
- ラーメン、餃子
- 神奈川県平塚市花水台29-4
- 月・火・水・金・祝日10:45 – 15:30土・日10:45 – 15:3017:15 – 20:30
- 木曜日
- 1000円〜1999円
厚木ラオシャン

厚木ラオシャンは、神奈川県厚木市旭町にある老舗ラーメン店で、創業は昭和39年(1964年)とされています。
約半世紀以上にわたり地元で愛され続けており、現在は2代目ご夫婦が切り盛りしています。

店内は昭和の雰囲気が色濃く残るコの字型カウンターのみで、手書きのメニューが掲げられるなど、昔ながらのラーメン店の趣があります。
アットホームで温かみのある雰囲気の中、常連客や地元の家族連れが多く訪れ、昼時には行列ができることも珍しくありません。

この店の最大の特徴は、平塚発祥の「ラオシャン系タンメン」を厚木で味わえる点です。
一般的なタンメンとは異なり、透明で澄んだスープに強めの酸味が効き、スープは豚骨ベースで、酢の爽やかな酸味が特徴的。具材はきざみ玉ねぎのみというシンプルさで、ワカメや卵、チャーシューなどのトッピングも選べます。
麺はかん水や卵を使わず、小麦粉と塩のみで作られた白く細い自家製麺で、コシがありながらも優しい食感が楽しめます。

卓上には酢やラー油が置かれており、途中で味を変えながら自分好みに仕上げるのが厚木ラオシャン流の楽しみ方です。
シンプルながらも中毒性のある味わいと、変わらぬ昭和の空気感が、厚木ラオシャンを長年地元で愛され続ける理由となっています。
メニューはタンメンを中心に、ワカメタンメンや月見ワカメタンメンなどトッピング違いが複数用意され、餃子はニラとニンニクがしっかり効いた味付けが評判です。