外観
ひたちなか市街を通る西中根田彦線沿いで、目印として隣に大型スーパーがあります。
最寄り駅はJR常磐線の佐和駅もしくは勝田駅ですが、どちらの駅からも約2.5km、徒歩30分ほどと距離があります。
古民家のような建物で、茅葺きのような門と趣ある蕎麦屋さんに相応しい建物です。
駐車場
店舗前の空地に3台、店舗横に5台置くことができます。
店舗横の駐車スペースには白線で線が引かれているので、置く場所はすぐに分かるかと思います。
店内
木を基調とし薄暗い雰囲気で、和の雰囲気で落ち着きのある店内装飾は、元大工の店主が全部自分で作っているそうです。
席はカウンターやテーブル席、座敷席など全32席となっています。
人気店なので、満席時のために番号札が用意されています。
年配のご夫婦で切り盛りされているので、いたる所に「急がれる方はご遠慮下さい」との貼り紙がありました。
注文を受けてから蕎麦を茹でたり、天ぷらを揚げていましたので、多少時間が掛かかりましたが、驚くほどの時間ではありませんでした。
メニュー
蕎麦は「せいろ」と「田舎」の2種類があります。天ぷらやおろしなどがトッピングされ、温かい蕎麦はかけそばのみです。
サイドメニューは「そばがき」のみで、季節野菜をつかった天ぷらなどは貼り紙に書かれています。
季節野菜の天ぷら
夏時期にお邪魔したので、季節野菜は夏の野菜です。
具には、そら豆串、葱やとうもろこし、ズッキーニなどがつかわれています。
単品の天ぷらは、蕎麦とのセットよりもサイズが大きく、2人で食べても十分なサイズでした。
衣は厚めですが、揚げたてということもあり、ふんわりとした食感です。
とうもろこしの甘みやズッキーニの歯ごたえなど、夏を感じる季節感があり、噛みしめて味わいました。
二色そば
せいろそばと田舎そばを同時に楽しめるセットになっています。
それぞれの蕎麦が半分づつ、せいろに入り非常に楽しめるお蕎麦です。
器が2つ来たので不思議に思っていると、女将さんが「二色そばは辛味大根と普通の蕎麦汁を楽しめるのよ」と、教えてくれました。
蕎麦汁はしっかりと返しがきき、醤油は甘みと酸味のバランスの中間、全体的に濃い目に感じるので、蕎麦をちょい付けで食べると風味が良い感じに楽しめます。
2つの蕎麦に2つの蕎麦汁で、4通りの楽しみ方ができるなんて、とても贅沢な蕎麦です。
蕎麦湯には茹で汁だけでなく、蕎麦粉が足されているので、濃厚なトロみがあってかなり蕎麦の風味が楽しめます。
せいろそばは、その名の通り真っ白に近いような色合いで、蕎麦の中心部分の更科粉が多くつかわれているようです。
十割に近いような風味で、含まれる水の割合が絶妙で、正統派の蕎麦を感じつつも、店主独特の味がしっかりと感じられます。
田舎そばは、その名の通り真っ黒に近いような色合いで、表面には多くの星を見つけることができます。
せいろと同じ平たく打たれていますが、せいろに比べると縮れ感があり、パスタのフェットチーネを思わせるような面白さがあります。
舌で蕎麦をストレートに感じられるようなザラつきで、水を感じるせいろとは正反対の食感と風味がありました。
あとがき
木挽庵さんの創業は1992年。お店を切り盛りされているのは、ご夫婦の2人のみ。茨城は常陸など蕎麦の産地で名店も多いのですが、こちらのお店も食べログ百名店に選出されるなど高評価です。
店主は元大工で、千葉の柏にある名店「竹やぶ」さんで蕎麦の修行をされ、店舗にある門も木挽庵の店主が手掛けたものだそうです。
お店のあちこちに貼ってある紙を見て、「なんだかクセ強店主のお店か」と思ったのですが、そのクセが蕎麦や天ぷらにも、いかんなく発揮されています。オリジナルティを感じつつも、しっかりとした技術で味は上手にまとめられ、食べていて楽しいという言葉が何度も頭に浮かびました。