外観
国道16号の「河原町」交差点を県道299号で日高市方面に向かい、入間川にかかる豊水橋の手前にあります。
店舗は赤い屋根の一軒家で県道沿いにあるので、比較的わかりやすいです。
最寄り駅は西武池袋線の入間市駅で、約1.3km、徒歩20分ほどです。
駐車場
店舗裏側と横の2ヶ所に専用の駐車場があり、全部で8台ほど置くことができます。
店舗横の駐車場は県道沿いなので、かなり停めにくいですが、裏側は道幅は狭いですが、広めになっています。
店内
小料理屋さんという言葉が似合い過ぎるくらいの雰囲気があります。
奥の水槽ではアユやヤマメが泳いでる姿を目にすることもできます。
天井などには、さまざまな種類の魚籠などの漁具が飾られ、額の中には釣りでつかう浮きが飾られています。
席は小上がりの座敷8席、テーブル12席の全20席です。
メニュー
コース料理は価格別に3種類あり、キノコや川魚など季節に合わせた料理が提供されます。
月・木は定食や単品料理を提供し、金・土・日はコース料理のみ提供となっています。
定食は、軽いコースのような「ともん定食」をはじめ、ヤマメやアユの塩焼きや天ぷらなどです。
川魚料理だけでも、塩焼き、造り、甘露煮、天ぷらなどがあります。
川魚とともに、山菜料理もかなり種類が豊富で、天ぷらやおひたし、味噌和えなどがあります。
他にも汁物や鍋など、食材の種類も豊富ですが、料理の種類もかなり多いです。
天然アユ塩焼き定食
天然鮎の塩焼き、ご飯、お漬物、澄まし汁、小鉢がセットになった定食です。
定食のお漬物ですが、胡瓜、人参、茄子、大根と、いぶりがっこです。
見た目の彩りがキレイですし、何より味が素晴らしく、絶妙な塩加減でご飯のお供としても最高です。
小鉢は煮物で、山菜やキノコなどが甘めに煮付けられています。
シンプルな味付けですが、噛みしめるだけで素材の良さが実感でき、調理も決して素材の良さを損なっていません。
汁物は夏季は澄まし汁で、冬はけんちん汁が楽しめます。
さまざまな種類のキノコがたくさん入っていて、種類の数だけ食感を楽しむことができますし、染み入るような優しい味付けです。
ご飯は大きめの茶碗によそられているので、男性でも丁度良いくらいの量です。
とくにブランド名など書かれていませんが、丁寧に炊かれているので、米一粒一粒が美味しく感じられます。
メニューでは時価のような書かれ方ですが、サイズによる価格なので、注文時に丁寧に教えてくれます。
鮎は小振りのものが2匹ですが、食事としては十分なボリュームがありました。
キレイに焼け目の付き、頭から尻尾まで余すこと無く食べ切れるだけでなく、身の解れなども良く、鮎本来の香りが感じられます。
ともん定食
お店の名前が付いた定食で、最初に三段重が運ばれてきます。
お重には川魚の甘露煮や、山菜の漬物など趣向を凝らしたものが詰められ、和食でいう先付けのような雰囲気です。
川海老、かじか、キノコの煮しめ、山わさびの醤油漬け、三杯酢など、聞き慣れた食材だけでなく、見たこともないキノコまでさまざまです。
日本酒が良く合いそうですし、どれも作り込まれ丁寧な味付けで美味しいです。
定食とともに、キノコや山菜の天ぷらです。
これだけの種類が提供され、定食というのに驚きですが、コース料理となったら、一体どれだけのキノコや山菜が楽しめるのかと想像が尽きません。
天ぷらだけでも10種類以上と、食材の種類に圧倒されてしまいます。
衣も薄く、食材に精通しているだけあって、火の入り加減も絶妙です。
執筆
料理を待っている間に、店主の戸門秀雄さんと息子の剛さんの著書を読ませて頂きました。
料理をされている方が本まで執筆し、実際にフィールドワークに出て、お店で提供される食材を調達しているとは、本当に驚きでしかないです。
あとがき
店主や息子さんは、川魚から山菜までのスペシャリストであり、その知識と経験は貴重なものだと実感できます。料理の味付けなども、丁寧さが伝わってきますし、お椀やお皿などの焼物も実に見事で、見た目の色合いだけでなく、手に持った感じも素敵です。
料理を口にしていると、四季の中で採れるものだけを食す、人間本来の「食」としての原点を垣間見えるようでした。
釣り好きだけでなく、食に関わる人にも是非とも食べて欲しい料理でした。